ガベル (槌) 国際連合のガベル

ガベル (槌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 01:35 UTC 版)

国際連合のガベル

国際連合で使用されているものは、1955年にアイスランドの彫刻家Ríkarður Jónssonが製作したものであり、アイスランド産の白樺でガベルとサウンドブロックを作った[18]

日本のガベル

日本の裁判所においては、法廷や競売の開札場等にガベルやそれに類する場を静粛にさせる器具は備え付けられておらず、裁判官執行官がそれらを用いることはない。

参議院の本会議においてはガベル(ギャベル)が使用されており、叩くことで開会を示す[19]。これは1950年のアメリカ合衆国上院を視察した際にお土産として持ち帰ったのが始まりであり、衆議院では使用されない[19]

なお、場を静粛にさせる道具としては帝国議会時代から衆参両院共に「号鈴」(衆議院)、「振鈴」(参議院)という大きな鈴が議長席に用意されている。衆議院規則第218条及び参議院規則第214条において、議長が鈴を鳴らした場合には何人も沈黙しなければならないとされている[20][21][注釈 2]。しかし、衆議院では使用した結果、さらに場が紛糾してしまったことから使わないことが不文律となっており、参議院では貴族院当時から1度も使われたことがない[19]

脚注

関連項目

  • 靜鞭中国語版 - 中国の宮廷で皇帝が演説を始める前に、側近が鞭を鳴らす鳴鞭の儀式を行い静粛にさせていた。
  • 職杖英語版 - 王などの職についた人間が持つ杖。廷臣が騒がしい時に杖で音を立てて戒めるため、日本訳語として「戒めの杖」とも呼ばれる。
  • 拍子木 - 劇や相撲などの始まりに鳴らす楽器。中国では、醒木という机の上で鳴らす木がある。
  • 張扇 - 講談落語で使う、扇を模した道具。台を叩くことで場面転換の合図などを行う。

注釈

  1. ^ イギリス連邦や欧州連合の加盟国で用いられたことはない。
  2. ^ 帝国議会時代は衆議院規則第181条、貴族院規則第164条。

出典

  1. ^ a b c d Demeter, George (1969). Demeter's Manual of Parliamentary Law and Procedure. Blue Book,. pp. 39–40 
  2. ^ a b c See dictionary definitions of "gavel" at Merriam-Webster, Oxford Dictionaries, and thefreedictionary.com.
  3. ^ Robert, Henry M. (2011). Robert's Rules of Order Newly Revised (11th ed.). Philadelphia, PA: Da Capo Press. pp. 232. ISBN 978-0-306-82020-5 
  4. ^ Robert 2011, p. 242
  5. ^ a b Robert 2011, p. 645
  6. ^ Robert 2011, p. 387
  7. ^ The Gavel”. B.P.O.E.. 2015年8月3日閲覧。
  8. ^ Illustrations of Masonry: Illustrations of Masonry: Opening the Lodge”. www.sacred-texts.com. 2016年2月11日閲覧。
  9. ^ Burggraf, Helen. “Gavel-spotting is new sport for expat Americans in UK, Commonwealth courts”. americanexpatfinance.com. 2020年11月25日閲覧。
  10. ^ Marcel Berlins (2009年11月23日). “Knock it on the head, BBC. Judges don't use gavels”. The Guardian. 2014年6月9日閲覧。
  11. ^ Traditions of the courts”. www.judiciary.uk. 2020年11月25日閲覧。
  12. ^ There is an English court where gavels are actually used” (2014年12月16日). 2020年11月25日閲覧。
  13. ^ Mea Culpa: Order in court – no gavels”. The Independent (2016年11月11日). 2020年11月25日閲覧。
  14. ^ Senate Gavel”. senate.gov. 2018年6月3日閲覧。
  15. ^ Historical Minute Essays: 1941-1963: November 17, 1954: The Senate's New Gavel”. senate.gov. 2012年5月6日閲覧。
  16. ^ “India's gift to Nixon”. The Hindu (The Hindu). (1954年11月19日). http://www.thehindu.com/2004/11/19/stories/2004111901350902.htm 2018年6月3日閲覧。 
  17. ^ Larchuk, Travis. “Passing One Of Many, Many Gavels”. NPR.org. 2016年2月10日閲覧。
  18. ^ Baal-Teshuva, Jacob, Art Treasures of the United Nations, Thomas Yoseloff, New York, 1964 p.71 and Plate 34
  19. ^ a b c 参議院ホームページ:「本会議について:よくある質問」”. 参議院. 2024年4月24日閲覧。
  20. ^ 衆議院規則”. 衆議院. 2020年11月26日閲覧。
  21. ^ 参議院規則”. 参議院. 2020年11月26日閲覧。


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