オルグ (社会運動) 勧誘手段

オルグ (社会運動)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 16:54 UTC 版)

勧誘手段

選定

まず、最初に構成員たるに相応しい人物の選定が行われる。選定の場として利用されるのが大学クラブ活動である。新左翼党派は拠点校となっている大学に偽装サークルを数多く設けて、学生を待ち構えている。これらの偽装サークルは「○○問題研究会」といった知的・真面目な雰囲気を醸し出しており、これに関心を持つ学生も真面目なタイプが多い。そういった学生を最初は偽装サークルに入会させるのである。

そして新入会員に対して、これまでの経歴や性格や家族構成など様々な項目の調査が秘密裏に行われる。この調査を通じて、以下に該当する者が構成員候補として選ばれる。

  • 反社会的人格を持つ人物であること。
  • 親族警察官など「権力機関の構成員」がいないこと。
  • 社会問題に関心はあるものの、特定の価値観に染まっていないこと。

構成員候補への工作

構成員候補として選ばれた者は、日々のサークルの学習会とは別に、個別の学習会が行われる。この勉強会では「現代社会の矛盾は資本主義体制にあり」といった新左翼党派のイデオロギーに沿った学習が行われ、次第に「資本主義体制に抗う革命家」を自己の存在理由とするように仕向けるのである。

性的関係に持ち込むことで構成員に勧誘する手法(肉体オルグ)も利用されており、末端の構成員獲得に多大な貢献をしている。

構成員獲得

そしてある程度理解が深まったら、正式に構成員として認められる。こうして得られた構成員は信念が強く組織に対する忠誠心が高いと評価されている。

脚注

参考文献

関連項目


注釈

  1. ^ 特に大学キャンパス内で勧誘活動をするカルト団体の勧誘批判に使われている。

出典

  1. ^ a b 日本大百科全書(ニッポニカ)、デジタル大辞泉、精選版、日本国語大辞典、世界大百科事典内の言及. “オルグ”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年3月30日閲覧。
  2. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、精選版 日本国語大辞典、デジタル大辞泉、世界大百科事典 第2版、世界大百科事典内の言及. “オルガナイザー”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年3月30日閲覧。
  3. ^ 黒井文太郎 (2019年4月24日). “スリランカ連続テロ 地元グループをIS(イスラム国)がオルグか?”. 個人 - Yahoo!ニュース. Yahoo Japan. 2023年3月30日閲覧。
  4. ^ 戦後70年~沖縄(4)】祖国復帰(下) オルグされた教師たち「僕たちは労働者…」 主婦らが政府動かす「私たちこそ沖縄代表!」”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2015年6月27日). 2023年3月30日閲覧。
  5. ^ 【法廷から】「日本赤軍に入るつもりなかった」と語った城崎勉被告の真意とは? 「革命用語」飛び交い法廷はまるで歴史教室に…”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2016年11月3日). 2023年3月30日閲覧。
  6. ^ a b 村田らむ (2017年8月17日). “トークライブを編み出した元左翼の波瀾曲折”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2023年3月30日閲覧。
  7. ^ 公安調査庁 編『成田闘争の概要』1993年4月、pp. 1,7-13


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