ウィッカーマン (1973年の映画)
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ウィッカーマン | |
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The Wicker Man | |
監督 | ロビン・ハーディ |
脚本 | アンソニー・シェーファー |
製作 | ピーター・スネル |
出演者 | エドワード・ウッドワード |
音楽 | ポール・ジョヴァンニ |
撮影 | ハリー・ワックスマン |
編集 | エリック・ボイド=パーキンス[1] |
配給 | ケイブルホーグ |
公開 |
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上映時間 | 100分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | £500,000[2] |
興行収入 | $58,341[3] |
本作をカルト映画と評する向きもある[4]。ガーディアン紙はホラー映画ベスト25を紹介する企画でこの映画を4位に選出し、Cinefantastique誌が「ホラー映画の『市民ケーン』」と評したのを紹介しつつ、公開前後に様々なトラブルに見舞われ不遇だった映画が1980年代までにはカルト的な地位を確立したと述べている[5]。
「ウィッカーマン」とは、『ガリア戦記』に記述されている柳の枝で編まれた巨大な人型の檻で、ドルイド教徒が生贄となる人間を入れて燃やしたものである[6]。
2006年にニコラス・ケイジ主演、ニール・ラビュート監督でリメイクされた。
あらすじ
スコットランド・ハイランド地方西部の警察に勤める中年の巡査部長ニール・ハウイー(エドワード・ウッドワード)は、ヘブリディーズ諸島のサマーアイルという孤島で行方不明になった少女ローワン・モリソンを探してほしいという匿名の手紙を受け取る。ハウイーが飛行艇で向かった先で見たものは、島の領主であるサマーアイル卿(クリストファー・リー)のもとでキリスト教の普及以前のケルト的ペイガニズムが復活していた風景だった。島民は農業に励む普通の生活を送っているが、宗教生活や性生活だけは他のイギリス人と異なっていた。彼らは生まれ変わりを信じ、太陽を信仰し、子供たちに生殖と豊作を願うための性的なまじないを教え、大人たちは裸で性的な儀式に参加していた。
ハウイーは非常に厳格なキリスト教を信仰しているため、これらの風習に衝撃と嫌悪を隠せなかった。宿では、あるじの娘のウィロー(ブリット・エクランド)が艶かしい踊りと歌でハウイーを誘惑し、彼を困らせる。「五月祭」の近づく中、島民は準備や儀式に忙しく、彼の捜査は進まない。教師や役人も含め、島民は「ローワンという少女はここにはいない、最近死んだばかりだ」と口をそろえる。ハウイーは島の権力者であるサマーアイル卿のもとへゆくが、そこで彼はサマーアイル島の物語を聞かされる。サマーアイル卿の祖父の世代、凶作が続いたために皆でキリスト教を捨てて古代の宗教儀式に戻ったところ島は豊かになり、リンゴの名産地になれたという。
ハウイーは次第に、少女は人身御供として殺されたか、あるいはこれから殺されるのでは、との疑念を抱くようになる。やがてローワンの墓を暴くと中には野ウサギしか入っていなかったこと、ローワンが昨年の五月祭の主役(メイクイーン)であったこと、凶作の年の五月祭は生贄が供えられることを知り、今年のリンゴの凶作のために去年の五月祭の主役だった少女が五月祭で殺されることを確信する。飛行艇の故障で応援の呼べないハウイーは、少女を救うべく、五月祭の主役である愚者パンチを演じる予定の宿のあるじを昏倒させ、自らがパンチの扮装をしてサマーアイル卿が先導する五月祭の行進に紛れ込む。ハウイーを含めた扮装した島民の行進は、町外れの海辺の丘に立つ、柳の枝で出来た巨大な「ウィッカーマン」の像へと向かう。
祭が始まり現れたローワンが生贄にされかけたところをハウイーは救うが島民に取り押さえられ扮装を暴かれる。そこでサマーアイル卿は予定している生贄はローワンではなくハウイーであり、今までのすべては彼をこの島へ招きよせて生贄にするための罠だったことを明かす。五月祭で燃やされる生贄は少女ではなく4つの条件があった。愚者パンチのように童貞で、賢くかつ愚かな者でなければならず、しかも王の代理としての力を持ち、自由意思で来なければならない。ハウイーは信仰のために童貞であり、政府の警官=女王の代理として自ら進んで島へやってきて、謎を解く過程で罠にはまった、ということで生贄の条件をすべて満たしたのである。サマーアイル卿は島民たちの信仰の主宰者としてハウイーをウィッカーマンの中に閉じ込め、火を投じた。死の恐怖に直面したハウイーが詩篇23篇を絶叫するなか、サマーアイル卿やローワン、島民らは来年の豊作を祈って、燃えるウィッカーマンの周りで中英語の歌『夏は来たりぬ』を歌い五月祭は最高潮を迎えるのであった。
キャスト
- エドワード・ウッドワード - ハウイー巡査
- クリストファー・リー - サマーアイル卿
- ダイアン・シレント - ミス・ローズ
- イングリッド・ピット - 図書館員
- ブリット・エクランド - ウィロー
※ allcinemaでのリリース時にはサマーアイル卿にクリストファー・リーの吹替声優として知られている家弓家正を起用し、新たに日本語吹替版を製作する企画があったが、予算の都合により実現しなかった[7]。
注釈
出典
- ^ Eric Boyd-Perkins - IMDb(英語). 2021年10月6日閲覧。
- ^ Murray, Andy; Rolston, Lorraine (2008) (英語). Studying The Wicker Man. Studying Films Series. Columbia University Press. p. 13. ISBN 978-1-903-66310-3. "Although the company agreed to take the film on, the producers were under instruction to keep to a tight budget of the film under £500,000, small even by early 1970s standards."
- ^ “The Wicker Man” (英語). ザ・ナンバーズ. Nash Information Services, LLC. 2021年2月8日閲覧。
- ^ 『カルトムービー 本当に面白い日本映画 1945→1980』桂千穂(2013年12月、メディアックス、ISBN 978-4862014597)、『映画秘宝EX 映画の必修科目10 仰天カルトムービー100』(2011年9月、洋泉社、ISBN 978-4862488084)など
- ^ Anne Billson (2010年10月22日). “The Wicker Man: No 4 best horror film of all time” (英語). 2021年10月6日閲覧。
- ^ Lugodoc. “Lugodoc's Guide to Druids” (英語). lugodoc,demon.co.uk. 2014年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月2日閲覧。
- ^ allcinemadvdのツイート(519779221296517120)
- ^ “The Wicker Man” (英語). The Various Versions of "The Wicker Man". 2021年10月6日閲覧。
- ^ Stephen Applebaum (2011年9月22日). “The Wicker Man: Caught in the crossfire” (英語). The Independent. The Independent. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Wicker Man Trivia” (英語). Wicker-Man.com. 2012年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月11日閲覧。
- ^ Orphan, David (2011年12月1日). “David Pinner Interview - The Cult of David Pinner” (英語). B-Music Collective. 2012年4月11日閲覧。
- ^ Gore, Will (2011年4月22日). “The author who inspired The Wicker Man...” (英語). Surrey Comet. 2011年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月11日閲覧。
- ^ Brown, Allan. “An Appointment with the Wicker Man – preview, theatre listings and showing times” (英語). s1play.com. 2012年4月8日閲覧。
- ^ Melanie J. Wright (2006-12-26) (英語). Religion And Film: An Introduction. Introductions to Religion (Paperback ed.). London, USA: Tauris Academic Studies. p. 87. ISBN 978-1850438861 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b c d Philips, Steve (2002年). “The Wicker Man - The Various Versions of "The Wicker Man"” (英語). Steve's Web Page. 2021年2月8日閲覧。
- ^ “Scots singing legend Annie Ross talks Duke Ellington, Billie Holiday & Judy Garland ahead of appearance at Glasgow Film Festival” (英語) (2012年2月8日). 2017年9月3日閲覧。
- ^ “A very nasty piece of work” (英語) (2001年12月21日). 2017年9月3日閲覧。
- ^ a b “Where was 'The Wicker Man' filmed?”. British Film Locations. 2017年6月5日閲覧。
- ^ “Scottish Castles - Culzean Castle”. 2012年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月11日閲覧。
- ^ “Summerisle (The Wicker Man)” (英語). World Reviewer. 2012年12月20日閲覧。
- ^ Unsworth, Cathi (2007-04). “Robin Hardy – Burning the Man – The director of The Wicker Man talks about the film's enduring appeal” (英語). Fortean Times. オリジナルの2008-03-03時点におけるアーカイブ。 .
- ^ Kermode, Mark. “Something Wicker This Way Comes” (英語). Channel4. 2009年1月30日閲覧。
- ^ “The Wicker Man” (英語). Art & Hue presents The Wicker Man. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b “RESTORED VERSION OF "THE WICKER MAN" TO BE RELEASED IN UK THEATRES - Celebrating Films of the 1960s & 1970s” (英語). Cinemaretro.com (2013年7月30日). 2021年10月6日閲覧。
- ^ Laurence Boyce (2013年7月22日). “Robin Hardy announces results of The Wicker Man appeal - original print found” (英語). Moviemail. 2013年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月24日閲覧。
- ^ SUSAN KING (2013年8月27日). “British cult classic 'The Wicker Man' to be released in theaters” (英語). LA Times. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b Sarah Dobbs (2013年9月28日). “The Wicker Man: The Final Cut DVD review”. SciFiNow. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Rewind @ www.dvdcompare.net - Wicker Man (The) (Blu-ray) (1973)” (英語). Dvdcompare.net. 2014年8月9日閲覧。
- ^ “Magnet & Paul Giovanni - The Wicker Man (The Original Motion Picture Soundtrack Music & Effects) (Vinyl)” (英語). Discogs. 2021年2月8日閲覧。
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