鉛銭とは? わかりやすく解説

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なまり‐せん【鉛銭】

読み方:なまりせん

鉛で鋳造した銭貨中世から近世初期にかけて流通した悪質私鋳銭のほか、江戸末期から明治初期関東東北一部流通したものがある。なまりぜに。


鉛銭

読み方:ナマリゼニ(namarizeni)

鉛で鋳造した銭貨

別名 錏銭


鉛銭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/23 18:02 UTC 版)

鉛銭(なまりせん、えんせん)とは、を原料として鋳造された銭貨である[1]

概要

本来、非常に柔らかい物質である鉛は貨幣を製造するのに適している素材ではない。しかし、戦乱など何らかの影響で本来の銭貨の材料である(銅銭)を生産することが難しくなると、鉄銭や鉛銭などの発行に至った。日本では、平安遷都後の皇朝十二銭は、鉛が大部分を占め、粗悪で銭文が読みにくいものが多くなった。

鉛銭の製造は、鉛の産出量にも関係している。例として、宮城県細倉鉱山では鉛が多く産出されたため、細倉当百の鋳造を行った[2]

また、通常の銅銭にも鉛を比較的多く含むものも存在しており、寛永通宝にもみられる。そのような銭貨は色が赤みを帯びるため、「赤銭」と呼ばれる[3]天保通宝に関しては78%、12%、10%との品位規定があった(明治の造幣局の分析では多少異なる。具体的には天保通宝参照)。丁銀豆板銀に含まれる以外の雑分や、小判一分金などの江戸時代の金貨に含まれる・銀以外の雑分にも鉛は少量含まれている。他にも地方貨幣では、銅山至宝なども銅主体ながら鉛分の多い金質となっている。

銭貨ではないが、硬貨の試作(試し打ち)に鉛など流通用の素材ではないものを利用する場合がある。

歴史

鉛銭は、古いものでは五代十国時代で鋳造された開元通宝に見られる[4]。先述したように、皇朝十二銭にも見られる。

また、細倉当百や上州鉛切手銭など地方貨幣や民間発行の通貨、また私鋳銭にも見られる[5][6]

鉛銭、または鉛銭の存在が確認されている銭貨の一覧

参考文献

  1. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,精選版. “鉛銭(ナマリセン)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年3月6日閲覧。
  2. ^ Corporation), NHK(Japan Broadcasting. “消えるヤマ(鉱山)の記憶 刻んだ1万枚余の写真”. www.nhk.or.jp. 2025年3月22日閲覧。
  3. ^ あかせん【赤銭】”. 日国友の会. 2025年3月6日閲覧。
  4. ^ 中国貨幣の歴史”. 日本銀行金融研究所. 2025年3月7日閲覧。
  5. ^ 佐藤典正『細倉鉱山史』三菱金属鉱業細倉鉱業所、1964年、8頁。doi:10.11501/2505362 
  6. ^ 上州鉛銭”. namarisen.jp. 2025年3月7日閲覧。



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