量子渦とは? わかりやすく解説

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りょうし‐うず〔リヤウシうづ〕【量子渦】

読み方:りょうしうず

量子化された渦。量子力学支配される流体内部において、超流動になっていない部分が量子渦となる。また、超伝導常伝導共存する第二種超伝導体において、内部磁場侵入しているとき、磁束量子化されて量子渦を形成する


量子渦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/30 02:15 UTC 版)

量子渦(りょうしうず、: quantum vortex)とは、超流動超伝導において現れる位相欠陥である。

量子渦の存在は、1940年代後半、超流動ヘリウムに関してラルス・オンサーガーによって初めて予言された[1]。オンサーガーは量子渦の存在が超流動の循環を記述することを指摘し、超流動相転移が渦の励起を引き起こすことを予想した。オンサーガーによるこれらの考えは、1955年にリチャード・P・ファインマンによってさらに拡張され[2]、1957年にはアレクセイ・アブリコソフによって、第二種超伝導体の相転移を説明するため用いられた[3][4]

1950年代後半には、ジョー・ビネン英語版ドイツ語版が超流動ヘリウム4中に振動するワイヤを張ることで、量子渦を実験的に観測することに成功し[5][6]、後に、第二種超伝導体や冷却原子気体ボース=アインシュタイン凝縮においても観測されている。

超流動における量子渦は、循環量子化に対応し、超伝導における量子渦は、磁束の量子化に対応する。

超流動における渦

超流動における量子渦は、超流動体内部の常流動部分が成す線として存在し、この線を軸として周囲の超流動体の回転する流れを伴う。渦の太さは流体の種類によって異なり、渦芯の太さはヘリウム4において10−10 m(1 Å)、ヘリウム3において10−7 mのオーダーである。超流動ヘリウム4における量子渦は比較的単純な構造をしており、渦の中心は秩序変数特異点として表せる。

超流動の性質は、系の秩序変数である巨視的波動関数によって与えられる位相から決定される。速度場は位相 φ の勾配∇φに比例する。



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