宇宙論パラメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 15:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動宇宙論パラメータ (うちゅうろんパラメータ、cosmological parameter) とは、現代宇宙論の理論に含まれる、宇宙の性質を特徴づける一連のパラメータのことである。その値を観測的に決定することは観測的宇宙論の主要なテーマのひとつとなっている。
概論
一般相対性理論に基づく現代宇宙論は、FLRW計量を出発点として宇宙の膨張や構造の進化を記述するものである。これらの理論には現在の宇宙の平均密度などの理論それ自身からは決定することのできないいくつかの未定パラメータが含まれている。観測的宇宙論の立場ではこれらのパラメータの値を実際の観測に基づいて決定することが主要な問題のひとつとなる[1]。
主要な宇宙論パラメータとしては以下のものがある[2]。
- ハッブル定数 H0
- スケール因子 a の時間変化率、つまり現在の宇宙の膨張率を表す。
- 物質の密度パラメータ Ωm0
- 現在の臨界密度に占める非相対論的成分の割合。
- 輻射の密度パラメータ Ωr0
- 現在の臨界密度に占める相対論的成分の割合。
- ダークエネルギーの密度パラメータ ΩΛ0
- 現在の臨界密度に占めるダークエネルギーの割合。
- 曲率の密度パラメータ ΩK0
- 現在の臨界密度に占める空間曲率項の割合。
- 密度ゆらぎの振幅 σ8
- 半径 8 h-1 Mpc で平均した密度ゆらぎの確率分布の標準偏差。
- スペクトル指数 nS
- スカラー型ゆらぎの初期スペクトル。
- ダークエネルギーの状態方程式パラメータ w
- ダークエネルギーの性質を記述する。
定義から, 一連の密度パラメータ Ωx0 をすべての成分について足し上げると 1 に等しい。
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宇宙論パラメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:18 UTC 版)
「フリードマン方程式」の記事における「宇宙論パラメータ」の解説
フリードマン方程式の描く宇宙のダイナミクスは、 状態方程式( p {\displaystyle p} と ρ {\displaystyle \rho } の関係式) 宇宙の曲率 k {\displaystyle k} 宇宙項の有無 Λ {\displaystyle \Lambda } を指定すれば、スケールファクタ a ( t ) {\displaystyle a(t)} の振る舞いとして与えられる。 宇宙項がなく宇宙の曲率をゼロとしたときの物質密度を臨界密度 ρ c ≡ 3 H 2 8 π G {\displaystyle \rho _{c}\equiv {\frac {3H^{2}}{8\pi G}}} といい、これを用いて、宇宙の密度パラメータを Ω ≡ ρ ρ c = 8 π G 3 H 2 ρ {\displaystyle \Omega \equiv {\frac {\rho }{\rho _{c}}}={\frac {8\pi G}{3H^{2}}}\rho } と定義する。ただし H ≡ a ˙ a {\displaystyle H\equiv {\frac {\,{\dot {a}}\,}{a}}} はハッブル定数。 観測的宇宙論では、以上で得られる ( H , Ω , k , Λ ) {\displaystyle \left(H,\Omega ,k,\Lambda \right)} が宇宙モデルを決定する基本的なパラメータになり、これらを宇宙論パラメータと呼ぶ。観測値などは宇宙論パラメータの項参照。
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