ボルン近似とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 座標 > 近似 > ボルン近似の意味・解説 

ボルン近似

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 03:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ボルン近似: Born approximation)とは、量子力学散乱理論における散乱振幅遷移確率振幅を、相互作用を表すパラメータについてべき級数展開して、最初の少数項のみをとる近似方法である。マックス・ボルンにちなんで命名された。

この近似は通常高エネルギー散乱に対して用いられるが、低エネルギー散乱でも散乱ポテンシャルが小さいときには有効である。

リップマンシュウィンガー方程式におけるボルン近似

運動量pで、外向き(+)または内向き(−)の境界条件をみたす散乱状態リップマン‐シュウィンガー方程式は以下のように表せる。

ここで自由粒子グリーン関数は正の無限小量、Vは散乱ポテンシャル、は自由粒子の状態ベクトルで、入射波とも呼ばれる。

ボルン近似によって、この方程式は以下のようになる。

この式は、右辺が未知のに依存しないので容易に解ける。

歪曲波ボルン近似(DWBA)

原子核反応をボルン近似で扱い、核全体による散乱や吸収の効果は入射粒子の波のひずみとして扱うことを歪曲波ボルン近似(DWBA)という。

参考文献

  • Sakurai, J. J. (1994). Modern Quantum Mechanics. Addison Wesley. ISBN 0-201-53929-2 
  • Wu and Ohmura, Quantum Theory of Scattering, Prentice Hall, 1962
  • “A Hybrid Method Based on Reciprocity for the Computation of Diffraction by Trailing Edges”David R. Ingham, IEEE Trans. Antennas Propagat., 43 No. 11, November 1995, pp. 1173–82.
  • 『物理学辞典』 培風館、1984年

関連項目




ボルン近似と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ボルン近似」の関連用語

ボルン近似のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ボルン近似のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日本電子株式会社日本電子株式会社
Copyright(C)1996-2025 JEOL Ltd., All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのボルン近似 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS