word squareとは? わかりやすく解説

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ワード・スクエア

(word square から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/11 07:28 UTC 版)

フランスリュベロン英語版フランス語版山中のオペード英語版フランス語版にある Sator Square。

ワード・スクエア: word square)または四角連語語方陣とは特別なタイプの折句であり、正方形の格子上に、同じ単語が縦にも横にも読めるように文字が並んだものである。単語の数はそれぞれの単語の文字数に等しく、スクエアのオーダー(order)として知られている。例えば、オーダー5のワード・スクエアは次のようなものである。

H E A R T
E M B E R
A B U S E
R E S I N
T R E N D

古代まで遡るポピュラーなパズルであるワード・スクエアは、魔方陣と比較されることもあるが、正方形状の格子を使っているということ以外にこれら二つには特に関連性はない。

前史

イングランドコリニウム・ドブンノルム英語版(サイレンセスター)の Sator Square。

Sator Square

Sator Squareラテン語による有名なワード・スクエアで、その正統な形は次の通りである。

S A T O R
A R E P O
T E N E T
O P E R A
R O T A S

Sator Square はワード・スクエアの基本条件を満たしているのみならず、他にもいくつかの特質を備えているために広く知られるようになった。

  • 回文である。
  • ぼんやりと意味のとれる文章になっている。
  • キリスト教のパーテルノステル("Paternoster"、元はラテン語で「我らの父」の意)への言及といった、追加的な意味を文字列から引き出すことができる。

しかし、"Arepo" という単語はラテン語の文献ではここ以外に見つからず、Sator Square の研究者の大半はこれを固有名詞(ラテン語以外の言語からの翻訳か、またはよりあり得そうなのが、この文章のために特別に作り上げられた名前)とみなすことで合意している[1]。よってこのワード・スクエアは、回文語("tenet")と、倒語("sator" と "rotas")と、逆から読むと造語であろう名称("Arepo")になる一つの単語("opera")からできている。

術士アブラメリン

もしワード・スクエアでの「単語」が本当の単語である必要がないのなら、いくらでも大きなサイズの発音可能な文字の組み合わせが可能である。以下に示す 12×12 の文字配列は『術士アブラメリンの聖なる魔術の書』のヘブライ語による手稿の中に見え、「神から与えられ、アブラハムに伝えられたもの」とされている。英訳版が出たのは時代が下ってからである。これは第3巻・9章の "square 7" だが、同書は完全だったり不完全だったりする「スクエア」に満ちている。

I S I C H A D A M I O N
S E R R A R E P I N T O
I R A A S I M E L E I S
C R A T I B A R I N S I
H A S I N A S U O T I R
A R I B A T I N T I R A
D E M A S I C O A N O C
A P E R U N O I B E M I
M I L I O T A B U L E L
I N E N T I N E L E L A
O T I S I R O M E L I R
N O S I R A C I L A R I

これらのどの「単語」にも出典・説明が無いため、このスクエアは正式なワード・スクエアであるための現代的基準を満たしていない。現代の研究によれば、索引が付けられた語・句を使ってオーダー12のワード・スクエアを構成するのは、たとえ多数の言語を動員したとしても根本的に不可能であろうとされている。しかしながら、辞書の単語を自由に組み合わせた句を使ってよければ、この大きさの英語のワード・スクエアを作るのは比較的容易である。これらはやはり真のワード・スクエアとはみなされないが、National Puzzlers' League英語版 の刊行する "The Enigma" や他のパズル雑誌に、「何か違う(Something Different)ワード・スクエア」として掲載されたことがある。

現代英語でのワード・スクエア

英語によるオーダー6のワード・スクエアの例が初めて出版されたのは1859年で、オーダー7は1877年、オーダー8は1884年、そしてオーダー9は1897年である[2]

オーダーが8までの、英単語によるワード・スクエアの例を挙げる。

A N O B I T C A R D H E A R T G A R T E R B R A V A D O L A T E R A L S
O N I C E A R E A E M B E R A V E R S E R E N A M E D A X O N E M A L
T E N R E A R A B U S E R E C I T E A N A L O G Y T O E P L A T E
D A R T R E S I N T R I B A L V A L U E R S E N P L A N E D
T R E N D E S T A T E A M O E B A S R E L A N D E D
R E E L E D D E G R A D E A M A N D I N E
O D Y S S E Y L A T E E N E R
S L E D D E R S

以下に示すのは、いくつかある「完全」な(全ての単語が主要な辞書に載っており、大文字を含んでおらず、区切りのある語でもない)オーダー9のワード・スクエアのうち一つである[3]

A C H A L A S I A
C R E N I D E N S
H E X A N D R I C
A N A B O L I T E
L I N O L E N I N
A D D L E H E A D
S E R I N E T T E
I N I T I A T O R
A S C E N D E R S

オーダー10のスクエア

オーダー10のワード・スクエアは、当然ながら発見するのが遥かに難しい。「完全」なオーダー10のスクエアは1897年以来探究され続けており[2]ロゴロジー英語版聖杯と呼ばれている。

2023年、スロベニアのツェリェ出身のマテヴシュ・コヴァチッチは、公開されている辞書や大規模な英語テキストのコーパスをいくつか集め、膨大な語彙からすべての単語の正方形を効率的に列挙するアルゴリズムを開発し、最初の完璧なオーダー10のワード・スクエアを生み出した。

S C A P H A R C A E
C E R R A T E A N A
A R G O L E T I E R
P R O C O L I C I N
H A L O B O R A T E
A T E L O M E R E S
R E T I R E M E N T
C A I C A R E N S E
A N E I T E N S I S
E A R N E S T E S T

この解は、大文字や句読点の付いた単語の使用を事実上排除するもので、種名の2元命名法上の称号5つ、無機化合物の一種の用語1つ、有機化合物の前駆体形態の名称1つ、めったに使用されない単語1つ、廃止された単語1つ、標準的な単語1つで構成されており、2011年に導入された最新の単語も含む。

オーダー10問題に対しては、様々な手法によって部分的な解が生み出され続けている。

反復名(トートニム)

1921年以来、語や句の重畳、例えば "Alala! Alala!"(ギリシア語感動詞の反復)によってオーダー10のワード・スクエアが作られてきた。このようなスクエアはいずれも5文字の単語が2回ずつ現れるもので、実質的に全く同一のオーダー5のスクエアを4個並べたものになっている。ダリル・フランシスとドミトリー・ボルグマンは、"orangutang"(オランウータン)と "urangutang"、"ranga-ranga" と "tanga-tanga" をそれぞれ対にすることで、擬反復(オーダー2とオーダー3のスクエアの繰り返し)によって7種の異なる見出し語を組み上げることに成功した。次の通りである[4]

O R A N G U T A N G
R A N G A R A N G A
A N D O L A N D O L
N G O T A N G O T A
G A L A N G A L A N
U R A N G U T A N G
T A N G A T A N G A
A N D O L A N D O L
N G O T A N G O T A
G A L A N G A L A N

しかしながら、「ことばの研究者たちはずっと、反復によるオーダー10のスクエアは問題への不満足な解であると見なしてきている[2]。」

80%の解

1976年にフランク・ルビンは、最初の2段は意味不明な句だが、8語は辞書に載っているような、不完全なオーダー10のスクエアを作成した。もし "SCENOOTL" と "HYETNNHY" というパターンを含むような2語が見つかっていれば、完全なオーダー10のスクエアになっているところであった。

語彙の組み立て

1970年代以降、ジェフ・グラントは良く出来たワード・スクエアを生み出し続けている。1982年から1985年にかけてオーダー10のスクエアに集中して取り組んだことで、彼は "Sol Springs" (Sol Spring という名の人物は多く実在する)や "ses tunnels" (フランス語で "its tunnels" の意)といった穏当な造語に依った最初の3個の伝統的なオーダー10のスクエアを作成した。彼の継続的な努力により、このジャンルでの最高作品のうち一つが生み出されたが、それは "impolarity" (インターネットで発見)、"Tony Nader" の複数形電話帳で発見)という2語と、より伝統的な典拠で確認できる8語からできている。

D I S T A L I S E D
I M P O L A R I T Y
S P I N A C I N E S
T O N Y N A D E R S
A L A N B R O W N E
L A C A R O L I N A
I R I D O L I N E S
S I N E W I N E S S
E T E R N N E S S E
D Y S S E A S S E S
人名

よくある姓と名を組み合わせ、電話帳の名簿で確かめるという方法で、マサチューセッツ州ウェストボロー英語版のスティーヴ・ルートは、以下に示すような10文字の人名だけからできたオーダー10のスクエアが実在することを示した(名簿で発見された総数が各段の右脇に付してある)。

L E O W A D D E L L 1
E M M A N E E L E Y 1
O M A R G A L V A N 5
W A R R E N L I N D 9
A N G E L H A N N A 2
D E A N H O P P E R 10+
D E L L A P O O L E 3
E L V I N P O O L E 3
L E A N N E L L I S 3
L Y N D A R E E S E 5
地名

2000年頃、イングランド、レッチワースのレックス・グーチは、利用可能な単語集と計算処理的な要求を分析し、十分な強度で語彙を提供する百から二百の特化型の辞書・索引を編集した。最大の語彙源はアメリカ地名委員会アメリカ国家地球空間情報局だった。彼は "Word Ways" の2002年8月号と11月号で、この単語リストによって発見されたいくつかのワード・スクエアを発表した。以下に示すワード・スクエアは、幾人かのワード・スクエア専門家の間で実質的にオーダー10のスクエア問題を解いたものであると同意されている("Daily Mail", "The Times")。一方、より質の高いオーダー10のスクエアを将来に期待する者もいる[2][5]

D E S C E N D A N T
E C H E N E I D A E
S H O R T C O A T S
C E R B E R U L U S
E N T E R O M E R E
N E C R O L A T E R
D I O U M A B A N A
A D A L E T A B A T
N A T U R E N A M E
T E S S E R A T E D

これにはいくつかの「不完全性」がある。"Echeneidae"(コバンザメ科)は大文字を含む語であり、"Dioumabana" はギニア、"Adaletabat" はトルコの地名である。また "nature-name" はハイフンでつながった語である。

現代の組み合わせ理論によって、オーダー10のスクエアの発見にこれほどまでに時間がかかった理由や、オーダー11のスクエアは英単語を使っては(たとえ地名の翻訳を用いたとしても)まず作成不可能である理由が明らかになっている。しかし、多数の言語から単語を採ってきてよいのならばオーダー11のスクエアは実現可能である("Word Ways" 2004年8月号・2005年5月号)。

語彙

ワード・スクエアを作成する難度は見積もることができる。オーダー5のスクエアであれば、250語程度の語彙しかなくとも組み立てることができる。大雑把に言えば、オーダーが一つ上がるたびに要求される語彙は4倍程度に膨らむ。オーダー9のスクエアであれば6万語以上の9文字単語が要るようになり、この数は実質的に単一の大型辞書に収録されている全てである。

大きなワード・スクエアでは、語彙の制約から「望ましい」(ハイフンで繋がっている語ではなく、一般的に使われており、不自然な語形変化もしておらず、大文字も含んでいない)単語の選択が阻まれ、結果的にどのスクエアにも珍奇な語が現れることになる。これとは逆の問題が小さなワード・スクエアの場合に起こる。コンピュータ・サーチをすれば大量のワード・スクエアが出力されるが、ほとんどの場合、ほぼ知られていない単語が少なくとも一つは含まれる。このような場合、珍しい単語は除去するようにしたり、一般的な単語だけが載ったより小さな辞書を使うことにしたりすれば、(先述の意味で)「望ましい」単語だけからできたワード・スクエアを発見することができる。娯楽用の小さなワード・スクエアは、特に子供用の課題の場合、平易な解であることが望まれる。しかしほとんどのオーダー8のスクエアでの語彙は、教育を受けた成人の知識量を試すものとなっている。

変種

ダブル・ワード・スクエア

異なる単語が縦と横に並んだワード・スクエアは、ダブル・ワード・スクエア(double word square)として知られている。いくつか例を挙げる。

T O O L A C K S C E N T A D M I T S
U R N I R O N C A N O E D E A D E N
B E E M E R E A R S O N S E R E N E
B A K E R O U S E O P I A T E
F L E E T R E N T E R
B R E E D S

どのダブル・ワード・スクエアも、縦と横をひっくり返して別の正しいダブル・ワード・スクエアにすることができる。例えば、上に挙げたオーダー4のスクエアは次のように書いても良い。

L I M B
A R E A
C O R K
K N E E

ダブル・ワード・スクエアは通常のワード・スクエアよりも作成が幾分難しく、完全に正当な英単語(辞書に載っている単語)だけを使ったもので知られているのは、最大でオーダーが8である。Puzzlers.org には1953年まで遡るオーダー8の例があるが、これには六つの地名が含まれている。"Word Ways" 1992年2月号のジェフ・グラントによる例はこれを改善したもので、固有名詞がたった二つしか含まれていない(Aloysius の女性形である人名 Aloisia の複数形 "Aloisias" と、聖書にある地名の "Thamnata")。

T R A T T L E D
H E M E R I N E
A P O T O M E S
M E T A P O R E
N A I L I N G S
A L O I S I A S
T E N T M A T E
A S S E S S E D

ダイアゴナル・ワード・スクエア

対角線上にも単語ができているワード・スクエアを、ダイアゴナル・ワード・スクエア(diagonal word square)という。対角線には、左上から右下、右下から左上、右上から左下、左下から右上の4本がある。ダブルでないダイアゴナル・スクエア(同じ単語が縦と横に並ぶもの)では、対称性からこのうち最後の2本は同一の語(したがって回文語)でなければならない。対角線の全てが単語になっている最大のスクエアはオーダー8である。いくつかの対角線が単語になっているオーダー9のスクエアが存在する。

次の例は、オーダー4のダイアゴナル・ダブル・ワード・スクエアである。

B A R N
A R E A
L I A R
L A D Y

ワード・レクタングル

ワード・レクタングル(word rectangle)はダブル・ワード・スクエアと発想は同じだが、縦と横とで単語の文字数が異なるものである。次に示すのは 4×8 と 5×7 の例である。

F R A C T U R E G L A S S E S
O U T L I N E D R E L A P S E
B L O O M I N G I M I T A T E
S E P T E T T E S M E A R E D
T A N N E R Y

再び、縦と横をひっくり返して別のワード・レクタングルにすることができる。例えば、4×8 のレクタングルは 8×4 に書くこともできる。

それ以外の形

実質的に同じ規則の下、数多くの別の図形状に文字の詰め込みが行われてきた。"National Puzzlers' League" にはこれまでに試みられた全ての図形のリストが収められている。

脚注

  1. ^ Griffiths, J. Gwyn (March 1971). “'Arepo' in the Magic 'Sator' Square”. The Classical Review. New Series 21 (1): 6–8. doi:10.1017/S0009840X00262999. 
  2. ^ a b c d Eckler, A. Ross (2005). “A History of the Ten-Square”. In Cipra, Barry Arthur; Demaine, Erik D.; Demaine, Martin L. et al.. Tribute To A Mathemagician. A K Peters, Ltd.. pp. 85–91. ISBN 978-1-56881-204-5. https://books.google.com/?id=HSxeBJpIZS8C&printsec=frontcover 2008年8月25日閲覧。 
  3. ^ “Achalasia”. Word Ways. (August 2003). 
  4. ^ Brandreth, Gyles (1986). Everyman's Word Games. Book Club Associates. pp. 90 
  5. ^ “Hunting the Ten-Square”. Word Ways. (May 2004). http://digitalcommons.butler.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=4858&context=wordways. 

関連項目

外部リンク

  • Word Square :フリーでダブル・ワード・スクエアが遊べる。

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