PI制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 14:05 UTC 版)
残留偏差をなくすために周囲の環境が変わるたびに最適のKpを決定しなおすのは難しい。そこで u ( t ) = K p e ( t ) + K i ∫ 0 t e ( τ ) d τ {\displaystyle u(t)=K_{p}e(t)+K_{i}\int _{0}^{t}e(\tau )\,d\tau } と2つ目の項を付け加える。この項は残留偏差が存在する場合、その偏差の時間積分に比例して入力値を変化させる動作をする。つまり偏差のある状態が長い時間続けばそれだけ入力値の変化を大きくして目標値に近づけようとする役目を果たす。定数Kiは積分ゲイン、Iゲインと呼ばれる。 また、積分ゲインをKi = Kp / Tiで表し、上式に代入すると、 u ( t ) = K p ( e ( t ) + 1 T i ∫ 0 t e ( τ ) d τ ) {\displaystyle u(t)=K_{p}\left(e(t)+{1 \over T_{i}}\int _{0}^{t}e(\tau )\,d\tau \right)} このTiは積分時間と呼ばれる。積分時間の物理的意味は、ある一定の大きさのオフセットが継続した(つまりe(t)が一定)のときにP動作とI動作の項が同じになるのに要する時間である。 P制御と同じく、PI制御を伝達関数で表現すれば、 U ( s ) = ( K p + K i s ) E ( s ) = K p ( 1 + 1 T i s ) E ( s ) {\displaystyle U(s)=\left(K_{p}+{\frac {K_{i}}{s}}\right)E(s)=K_{p}\left(1+{\frac {1}{T_{i}s}}\right)E(s)} となる。PI制御の伝達関数C(s)は以下のようになる。 C ( s ) = K p + K i s = K p ( 1 + 1 T I s ) {\displaystyle C(s)=K_{p}+{\frac {K_{i}}{s}}=K_{p}\left(1+{\frac {1}{T_{I}s}}\right)} この偏差の積分に比例して入力値を変化させる動作を積分動作あるいはI動作(IはIntegralの略)という。上記のように比例動作と積分動作を組み合わせた制御方法はPI制御という。
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