レベルセット 【level set】
等位集合
この結果は重要である。これを理解するために、山の同じ位置にいる二人の登山者を以下のように想定しよう。一方は無鉄砲な性格で、勾配の最も急峻な方向をたどって山頂をめざすものとし、他方は用心深い性格で、滑落せずに景色を望むために高度を保って進む道を選んだとする。そうすると、この喩話において上記の定理は「二人の登山者の路程は、初期位置において直交する」ことを述べるものになる。
証明はさほど難しくない。一点 x0 を固定して、この点を通る等位線 {x | f(x) = f(x0)} を考える。適当な助変数 t を導入して、この等位線を x(t) かつ x(0) = x0 なるように書けば、
を満たす。t = 0 のとき、この両辺を(合成函数の微分公式に従って)微分して
が得られるが、この場合 x0 におけるヤコビ行列 Jf は f の x0 における 勾配で与えられるので、
と書いても同じことである。従って、f の x0 における勾配は、x′(0) において接線(およびこの点を通る等位線)と直交する。曲線 x(t) は任意に選んだのであるから、勾配は等位線と直交する。
この定理からの帰結として、直線が(より正確には多様体あるいは可微分超曲面でない)等位線と交わるならば、その勾配は各交点において消える。従って、任意の交点は臨界点である。
関連概念
等位集合と関連して、
なる形の集合を f の劣位集合または下位集合 (sublevel set, lower level set[5]) あるいは溝 (trench) と言い、同様に
は f の優位集合または上位集合 (superlevel set) と言う。
- 凸函数の劣位集合は凸集合になる(が、逆は必ずしも成り立たない)。
等位集合は f−1(c) とも書けるから、ファイバーの特別な場合と考えることができる。
参考文献
- ^ Voitsekhovskii, M.I. (2001), “Level set”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4
- ^ Weisstein, Eric W. "Level Set". MathWorld (英語).
- ^ Weisstein, Eric W. "Level Curve". MathWorld (英語).
- ^ Weisstein, Eric W. "Level Surface". MathWorld (英語).
- ^ Definition:Lower Level Set at ProofWiki
関連項目
- 陰伏曲面(陰函数曲面)
- 等位面
- 上グラフ(エピグラフ)
- 等高面法 (LSM)
- Level set (data structures)
外部リンク
- Weisstein, Eric W. "Level Set". MathWorld (英語).
- level set - PlanetMath.(英語)
- Voitsekhovskii, M.I. (2001), "Level set", in Hazewinkel, Michiel (ed.), Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4。
- level set in nLab
「level set」の例文・使い方・用例・文例
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