X線パルサー航法とは? わかりやすく解説

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X線パルサー航法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/03 04:01 UTC 版)

X線パルサー航法(英:X-ray pulsar-based navigation and timing (XNAV) or simply pulsar navigation)は、パルサーが放つX線信号を利用することで位置を特定する天測航法である。

GPSの電波が微弱で使えない深宇宙でも宇宙船の位置の把握が可能となる。

XNAVを使用する機体は、受信したX線信号を既知のパルサー周波数と位置のデータベースと比較する。

GPSと同様に、この比較により、車両はその位置を正確に(±5 km)三角測量できる。 また電波より波長の短いX線を利用することでより小さいX線望遠鏡で十分な解像度を得られる。[1][2][3]

2018年に実証試験に成功した。[4]

宇宙機航法

研究

欧州宇宙機構(ESA)のAdvanced Concepts Teamは、2003年にスペインのカタルーニャ大学と共同でX線パルサー航法の実現可能性を調査した。

その後、2012年にGMV AEROSPACE AND DEFENSE(ES)とNational Physical Laboratory(UK)がそれぞれ詳細な調査研究を行った。

実証

XPNAV 1

2016年11月9日、中国科学院はXPNAV 1と呼ばれる実験衛星を打ち上げた。[5]XPNAV-1の質量は240 kgで、493 km×512 km、傾斜角97.41°の軌道に投入された。 XPNAV-1は、近くの26個のパルサーのパルス周波数と強度を特徴付け、将来の運用ミッションで使用できるデータベースを作成する。 衛星は5年から10年動作することが期待された。 XPNAV-1は、軌道上での初のX線パルサー航法の検証になる。

SEXTANT

SEXTANT(Station Explorer for X-ray Timing and Navigation Technology)は、ゴダード宇宙飛行センターで開発されたNASAの資金提供プロジェクトで、6月3日に開始されたNICERプロジェクトに関連して、国際宇宙ステーションに搭載され軌道上で検証が行われた。2017年 SpaceXのCRS-11 ISS補給ミッションで打ち上げられた。 [6]2018年1月、ISSでNICER / SEXTANTを使用してX線ナビゲーションの実現可能性が実証された 精度は7 km(2日間の観測)だった。[7]

航空航法

2014年、アムステルダム国立航空宇宙研究所により航空機の航法技術としての検証が行われた。

これを使えば対衛星兵器や電波妨害下でも位置の特定が可能になると期待された。[8]

参考文献

  1. ^ Commissariat, Tushna (2014年6月4日). “Pulsars map the way for space missions”. Physics World. 2014年11月13日閲覧。
  2. ^ An Interplanetary GPS Using Pulsar Signals”. MIT Technology Review (2013年5月23日). 2014年11月13日閲覧。
  3. ^ Becker, Werner; Bernhardt, Mike G.; Jessner, Axel (2013). “Autonomous Spacecraft Navigation With Pulsars”. Acta Futura 7 (7): 11–28. arXiv:1305.4842. doi:10.2420/AF07.2013.11. 
  4. ^ NASA test proves pulsars can function as a celestial GPS
  5. ^ Krebs, Gunter. “XPNAV 1”. Gunter's Space Page. 2016年11月1日閲覧。
  6. ^ NICER Manifested on SpaceX-11 ISS Resupply Flight”. NASA (2015年12月1日). 2017年6月14日閲覧。 “Previously scheduled for a December 2016 launch on SpaceX-12, NICER will now fly to the International Space Station with two other payloads on SpaceX Commercial Resupply Services (CRS)-11, in the Dragon vehicle's unpressurized Trunk.”
  7. ^ NASA's Got a Plan for a 'Galactic Positioning System' to Save Astronauts Lost in Space
  8. ^ Bauke Stelma (2015年6月8日). “Pulsar navigation: piloting aircraft with the aid of the stars”. ExtremeTech. 2017年11月24日閲覧。

関連項目

外部リンク


X線パルサー航法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 03:21 UTC 版)

NICER」の記事における「X線パルサー航法」の解説

NICER拡張ミッションとして、"SEXTANT"(Station Explorer for X-ray Timing and Navigation Technology)がX線パルサー航法の技術実証目的として行われるGPS衛星からの電波パルス代わりに3つ上のパルサーから届くX線パルス利用しGPS電波届かない深宇宙でも自らの位置把握することができる技術である。最初デモンストレーションでは2日間の観測で7kmの精度NICER位置決定することができたが、次の段階では3km以内最終的に1km以内まで決定精度良くすることを目標としている。

※この「X線パルサー航法」の解説は、「NICER」の解説の一部です。
「X線パルサー航法」を含む「NICER」の記事については、「NICER」の概要を参照ください。

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