WWE王座 (世界ヘビー級)とは? わかりやすく解説

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WWE王座 (世界ヘビー級)

(WWE・世界王座 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/22 23:26 UTC 版)

WWE王座
詳細
現王者 ジョン・シナ
獲得日 2025年4月20日
管理団体 WWE
創立 1963年4月29日
過去の名称 WWWF世界ヘビー級王座
WWWFヘビー級王座
WWFヘビー級王座
WWF世界ヘビー級王座
WWF統一王座
WWE世界ヘビー級王座
WWE世界王座
統計
最多保持者 ジョン・シナ:14回
初代王者 バディ・ロジャース
最長保持者 ブルーノ・サンマルチノ:2803日
最短所持者 アンドレ・ザ・ジャイアント:45秒
最年長 ミスター・マクマホン:54歳22日
最年少 ブロック・レスナー:25歳44日

WWE王座WWE Championship)は、アメリカ合衆国プロレス団体WWEにおける王座の一つである。王座を巡る抗争は番組のメインストーリーとして扱われている。

歴史

ブルーノ・サンマルチノ(1976年)

王座創設はWWEの前身であるWWWF(ワールド・ワイド・レスリング・フェデレーション)設立前の1963年1月25日とされる。初代王者はリオデジャネイロでのトーナメントを勝ち抜いたバディ・ロジャースで、決勝の相手はアントニオ・ロッカとされているが、このトーナメントは実際には行われていない(この前日の24日、トロントでロジャース対ルー・テーズNWA世界ヘビー級王座戦が行われ、ロジャースがテーズに敗れて王座から陥落した。当時、ロジャースの防衛スケジュールはアメリカ北東部偏重であり、NWA内部から反感を買っていた。そのため、NWA王座はテーズに移動させられることとなったが、これを不服としたビンス・マクマホン・シニアら北東部のプロモーター達はNWAを脱退し、ロジャースを初代王者としてWWWFを結成した)[1][2]。当初、ロジャースのタイトルには団体名は冠されてはおらず、単に「世界ヘビー級王座」と呼ばれていたが、4月よりタイトルはWWWF世界ヘビー級王座として定着[3]。同年5月17日、ニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンにてブルーノ・サンマルチノがロジャースを下して第2代王者となり、以後約8年間に渡り王座を保持した[1]

ボブ・バックランド(1978年)

1971年2月よりプエルトリカンペドロ・モラレスが新王者となり、イタリア移民のサンマルチノに続くニューヨークのマイノリティのヒーローとして活躍するが、同年8月、WWWFがNWAに加盟したためタイトルから「世界」の文字が外され、WWWFヘビー級王座に改称された[1][4]。以後、サンマルチノの第2次政権を経て、ショーマン派のスーパースター・ビリー・グラハムやアスリート系のボブ・バックランドが戴冠した。バックランド戴冠時の1979年3月29日、団体名がWWF(ワールド・レスリング・フェデレーション)に改称され[5]、タイトルもWWFヘビー級王座となる[1]。同年12月には日本でアントニオ猪木が王座を獲得したが、日本での王座移動の経緯はアメリカのファンに説明されなかった[5]。そのため、猪木の戴冠についてはWWEが認めている時期と認めていない時期があり、公式的には猪木は歴代王者にカウントされておらず、猪木が死去した際も元王者としては紹介されなかった。

ハルク・ホーガン(1985年)

マクマホン・シニアが死去し、ビンス・マクマホン・ジュニアの新体制下でWWFの全米侵攻がスタートした1984年からは、ハルク・ホーガンを主軸とした王座争いに移行。再びNWAを脱退したことから、タイトルもWWF世界ヘビー級王座として「世界」の文字が冠されることとなった[1]。その後、ランディ・サベージアルティメット・ウォリアーなども王者となり、WWFのファミリー・エンターテインメント路線を牽引した。ホーガンがWCWに移籍した1993年以降は、ニュー・ジェネレーション路線としてブレット・ハートショーン・マイケルズが王座戦線の主役となった。

スティーブ・オースチン(1999年)

1997年、WWFは視聴率争いで一歩リードされていたWCWに対抗するために、これまでのプロレスの常識を覆すソープオペラ調のストーリー、アティテュード路線に切り替える。以降、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンザ・ロックトリプルHらを中心とした王座争いがドラマ仕立てで展開され、WWFの会長であるビンス・マクマホンまでもが王者になるということもあった。

2001年12月9日に開催されたヴェンジェンス2001ではWWF王座とWCW王座を統一したWWF統一王座(Undisputed WWF Championshipが新設され、クリス・ジェリコ、ロック、オースチン、カート・アングルの4名によるトーナメントの結果、ジェリコが初代統一王座を戴冠した。今なおジェリコは「一夜でロックとオースチンを倒した唯一の男」と喧伝されている。

2002年8月25日に開催されたサマースラム2002での統一王座戦ロックvsブロック・レスナーでレスナーがロックに勝利し王座を奪取。当時統一王者はRAW、スマックダウン両方の番組に出ることが可能であったが、レスナーはスマックダウン専属となった。また団体の名称が世界自然保護基金(WWF)の抗議により変更となりWWE王座と改称された。以降はスマックダウンが王座を管轄し、RAWには世界ヘビー級王座が新設され、WWE王座と同等の扱いの王座となった。

2005年4月3日に開催されたレッスルマニア21ジョン・シナJBLから王座を奪取し、6月のドラフトで王座を持ったままRAWに移籍。2008年開催のドラフトでは、トリプルHが王座を保持したままスマックダウンに移籍。2009年開催のドラフトでも、トリプルHが王者のままRAWに移籍した。

2013年TLC戦で、ランディ・オートンが、シナとの王座統一戦で制し、名称もWWE世界ヘビー級王座(WWE World Heavyweight Championshipと改称される。これにより、11年間同じ最高位の王座としてあった世界ヘビー級王座は廃止されることになった。

以降、名称はWWE王座→WWE世界王座→WWE王座と辿る[1]

2022年4月3日、WWEユニバーサル王者ロマン・レインズが、WWE王者のブロック・レスナーに勝利し、両王座を統一。のちにベルトが一本化され、統一WWEユニバーサル王座(Undisputed WWE Universal Championshipを構成する王座の一つになった。

2024年4月第3週に、王座名が統一WWE王座(Undisputed WWE Championshipへ変更された。

歴代最多戴冠はシナの14回(2025年4月20日戴冠時)。

歴代チャンピオン

チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
バディ・ロジャース
※戴冠中の1963年4月、WWWF世界ヘビー級王座として定着
1 21日 1963年1月25日
WWWF世界ヘビー級王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ブルーノ・サンマルチノ 1 2803日 1963年5月17日
イワン・コロフ 1 21日 1971年1月18日
ペドロ・モラレス
※戴冠中の1971年8月、WWWFヘビー級王座に改称
1 1027日 1971年2月8日
WWWFヘビー級王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
スタン・スタージャック 1 9日 1973年12月1日
ブルーノ・サンマルチノ 2 1237日 1973年12月10日
スーパースター・ビリー・グラハム 1 296日 1977年4月30日
ボブ・バックランド
※戴冠中の1979年3月29日、WWFヘビー級王座に改称
1 2135日 1978年2月20日
WWFヘビー級王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ジ・アイアン・シーク 1 28日 1983年12月26日
WWF世界ヘビー級王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ハルク・ホーガン 1 1474日 1984年1月23日
アンドレ・ザ・ジャイアント
テッド・デビアスが王座を買収したため剥奪
1 0日 1988年2月5日
ランディ・サベージ
レッスルマニアIVでのトーナメント決勝でデビアスを破り戴冠
1 371日 1988年3月27日
ハルク・ホーガン 2 364日 1989年4月2日
アルティメット・ウォリアー 1 293日 1990年4月1日
サージェント・スローター 1 64日 1991年1月19日
ハルク・ホーガン 3 248日 1991年3月24日
ジ・アンダーテイカー 1 6日 1991年11月27日
ハルク・ホーガン
※不明瞭な判定のため翌日に王座空位
4 1日 1991年12月3日
リック・フレアー
ロイヤルランブルに優勝して戴冠
1 77日 1992年1月19日
ランディ・サベージ 2 149日 1992年4月5日
リック・フレアー 2 41日 1992年9月1日
ブレット・ハート 1 174日 1992年10月12日
ヨコズナ 1 0日 1993年4月4日
ハルク・ホーガン 5 70日 1993年4月4日
ヨコズナ 2 280日 1993年6月13日
ブレット・ハート 2 248日 1994年3月20日
ボブ・バックランド 3 3日 1994年11月23日
ディーゼル 1 358日 1994年11月26日
ブレット・ハート 3 133日 1995年11月19日
ショーン・マイケルズ 1 231日 1996年3月31日
サイコ・シッド 1 63日 1996年11月17日
ショーン・マイケルズ
※1997年2月13日、膝の負傷により返上
2 25日 1997年1月19日
ブレット・ハート
スティーブ・オースチンベイダー、アンダーテイカーとの4ウェイ戦に勝利して戴冠
4 1日 1997年2月16日
サイコ・シッド 2 34日 1997年2月17日
ジ・アンダーテイカー 2 133日 1997年3月23日
ブレット・ハート 5 98日 1997年8月3日
ショーン・マイケルズ 3 140日 1997年11月9日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 1 91日 1998年3月29日
ケイン 1 0日 1998年6月28日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 2 90日 1998年6月29日
ザ・ロック 1 50日 1998年11月15日
マンカインド 1 20日 1999年1月4日
ザ・ロック 2 7日 1999年1月24日
マンカインド 2 15日 1999年1月31日
ザ・ロック 3 41日 1999年2月15日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 3 56日 1999年3月28日
ジ・アンダーテイカー 3 36日 1999年5月23日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 4 55日 1999年6月28日
マンカインド 3 1日 1999年8月22日
トリプルH 1 24日 1999年8月23日
ミスター・マクマホン 1 4日 1999年9月16日
トリプルH 2 49日 1999年9月26日
ビッグ・ショー 1 50日 1999年11月14日
トリプルH 3 117日 2000年1月3日
ザ・ロック 4 20日 2000年4月30日
トリプルH 4 34日 2000年5月21日
ザ・ロック 5 118日 2000年6月25日
カート・アングル 1 125日 2000年10月22日
ザ・ロック 6 34日 2001年2月25日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 5 175日 2001年4月1日
カート・アングル 2 14日 2001年9月23日
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン 6 61日 2001年10月8日
クリス・ジェリコ 1 97日 2001年12月9日
WWF統一王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
トリプルH 5 34日 2002年3月17日
ハルク・ホーガン 6 28日 2002年4月21日
ジ・アンダーテイカー 4 62日 2002年5月19日
WWE統一王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ザ・ロック 7 34日 2002年7月21日
ブロック・レスナー 1 83日 2002年8月25日
ビッグ・ショー 2 27日 2002年11月17日
カート・アングル 3 104日 2002年12月15日
ブロック・レスナー 2 118日 2003年3月30日
カート・アングル 4 52日 2003年7月27日
ブロック・レスナー 3 150日 2003年9月18日
エディ・ゲレロ 1 132日 2004年2月15日
JBL 1 279日 2004年6月27日
ジョン・シナ 1 279日 2005年4月3日
エッジ 1 20日 2006年1月8日
ジョン・シナ 2 132日 2006年1月29日
ロブ・ヴァン・ダム 1 21日 2006年6月11日
エッジ 2 75日 2006年7月3日
ジョン・シナ 3 380日 2006年9月17日
ランディ・オートン 1 0日 2007年10月7日
トリプルH 6 0日 2007年10月7日
ランディ・オートン 2 202日 2007年10月7日
トリプルH 7 209日 2008年4月27日
エッジ 3 20日 2008年11月23日
ジェフ・ハーディー 1 41日 2008年12月14日
エッジ 4 20日 2009年1月25日
トリプルH 8 69日 2009年2月15日
ランディ・オートン 3 41日 2009年4月26日
バティスタ 1 1日 2009年6月7日
ランディ・オートン 4 89日 2009年6月15日
ジョン・シナ 4 20日 2009年9月13日
ランディ・オートン 5 20日 2009年10月4日
ジョン・シナ 5 48日 2009年10月25日
シェイマス 1 69日 2009年12月13日
ジョン・シナ 6 0日 2010年2月21日
バティスタ 2 35日 2010年2月21日
ジョン・シナ 7 83日 2010年3月28日
シェイマス 2 90日 2010年6月20日
ランディ・オートン 6 63日 2010年9月19日
ザ・ミズ 1 159日 2010年11月22日
ジョン・シナ 8 76日 2011年5月1日
CMパンク 1 28日 2011年7月17日
レイ・ミステリオ 1 0日 2011年7月25日
ジョン・シナ 9 19日 2011年7月25日
アルベルト・デル・リオ 1 34日 2011年8月14日
ジョン・シナ 10 13日 2011年9月18日
アルベルト・デル・リオ 2 48日 2011年10月2日
CMパンク 2 434日 2011年11月20日
ザ・ロック 8 69日 2013年1月27日
ジョン・シナ 11 132日 2013年4月7日
ダニエル・ブライアン 1 0日 2013年8月18日
ランディ・オートン 7 28日 2013年8月18日
ダニエル・ブライアン 2 0日 2013年9月15日
ランディ・オートン 8 160日 2013年10月27日
WWE世界ヘビー級王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ダニエル・ブライアン 3 63日 2014年4月6日
ジョン・シナ 12 49日 2014年6月29日
ブロック・レスナー 4 223日 2014年8月17日
セス・ロリンズ 1 220日 2015年3月29日
ロマン・レインズ 1 0日 2015年11月22日
シェイマス 3 22日 2015年11月22日
ロマン・レインズ 2 40日 2015年12月14日
トリプルH 9 69日 2016年1月24日
ロマン・レインズ 3 76日 2016年4月3日
セス・ロリンズ 2 0日 2016年6月19日
ディーン・アンブローズ 1 83日 2016年6月19日
WWE王座 → WWE世界王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
AJスタイルズ 1 140日 2016年9月11日
WWE王座
チャンピオン 戴冠回数 保持日数 日付
ジョン・シナ 13 14日 2017年1月29日
ブレイ・ワイアット 1 48日 2017年2月12日
ランディ・オートン 9 49日 2017年4月2日
ジンダー・マハル 1 169日 2017年5月21日
AJスタイルズ 2 371日 2017年11月7日
ダニエル・ブライアン 4 144日 2018年11月13日
コフィ・キングストン 1 180日 2019年4月7日
ブロック・レスナー 5 184日 2019年10月4日
ドリュー・マッキンタイア 1 202日 2020年4月5日
ランディ・オートン 10 22日 2020年10月25日
ドリュー・マッキンタイア 2 96日 2020年11月16日
ザ・ミズ 2 8日 2021年2月21日
ボビー・ラシュリー 1 195日 2021年3月1日
ビッグ・E 1 110日 2021年9月13日
ブロック・レスナー 6 27日 2022年1月1日
ボビー・ラシュリー 2 20日 2022年1月29日
ブロック・レスナー 7 43日 2022年2月19日
ロマン・レインズ 4 735日 2022年4月3日
コーディ・ローデス 1 379日 2024年4月7日
ジョン・シナ 14 3日 2025年4月20日

脚注

  1. ^ a b c d e f WWWF/WWF/WWE World Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2023年9月3日閲覧。
  2. ^ 『Gスピリッツ Vol.39』P86-87(2016年、辰巳出版ISBN 4777816699
  3. ^ 『Gスピリッツ Vol.40』P80(2016年、辰巳出版、ISBN 4777817075
  4. ^ 『Gスピリッツ Vol.41』P78(2016年、辰巳出版、ISBN 4777817660
  5. ^ a b 『Gスピリッツ Vol.42』P64-65(2016年、辰巳出版、ISBN 4777818128

関連項目

外部リンク




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