Trousseau症候群(トルーソー症候群)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:19 UTC 版)
「脳梗塞」の記事における「Trousseau症候群(トルーソー症候群)」の解説
詳細は「トルーソー症候群」を参照 後天性凝固異常症のひとつとなるが、悪性腫瘍の遠隔効果による血液凝固異常により脳塞栓症をきたすことがある。担癌患者に合併する血液凝固異常、狭義ではそれによる脳梗塞をTrousseau症候群(トルーソー症候群)という。この症候群を初めて報告したフランスの内科医アルマン・トルーソーの名前を冠している。Trousseau症候群の原因となる悪性腫瘍として頻度の高いものは固形癌であり、腺癌、特にムチン産出腫瘍が多いとされている。固形癌の中では乳癌や子宮癌など婦人科腫瘍が最も多く、肺癌、消化器癌、腎臓癌、前立腺癌なども多い。悪性腫瘍に伴う血液凝固異常はDダイマー、FDP(英語版)、PICといった二次線溶系マーカーが異常高値を示すことが多い。二次線溶系マーカー異常高値を示すものとしては胸腹部大動脈瘤、重度の深部静脈血栓症などがある。奇異性脳塞栓症や心原性脳塞栓症ではDダイマーは高くとも5.0mg/dl程度でありFDPやPICは正常範囲にとどまることが多い。胆嚢癌患者における脳梗塞の成因の多くはDICに併発した非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)による心原性脳塞栓症であり、ついでTrousseau症候群、細菌性塞栓、腫瘍塞栓、脳静脈、静脈洞血栓症などがあげられる。Trousseau症候群の治療法は低分子ヘパリンが有効であるが、予後を左右するのは原疾患の治療である。
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