T-s 線図による再生サイクルの表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/16 05:20 UTC 版)
「再生サイクル」の記事における「T-s 線図による再生サイクルの表示」の解説
T-s 線図の面積は単位質量あたりの熱量または(熱量の差である)仕事を表している。図 2 の再生サイクルの T-s 線図では、タービン流入量 1 kg に対して、抽気点 H1 以降ではタービンと復水器の流量が (1 - m1) kg に減少する。したがって下記の補正を行えば、線図の面積でタービン流入量 1kg あたりの熱量または仕事を表すことができる。 ボイラの加熱量は曲線 h 1 H T ¯ {\displaystyle {\overline {h_{1}H_{T}}}} の下方の面積で表される。 線分 H C h C ¯ {\displaystyle {\overline {H_{C}h_{C}}}} : 線分 H C a C ¯ {\displaystyle {\overline {H_{C}a_{C}}}} = 1 : (1 - m1) となるように 点 aC を取れば、線分 H C a C ¯ {\displaystyle {\overline {H_{C}a_{C}}}} の下方の面積が、タービン流入蒸気 1kg に対する復水器放熱量である。 線分 h 1 H 1 ¯ {\displaystyle {\overline {h_{1}H_{1}}}} 上に b1 を取り、面積 H 1 H C h C h 1 H 1 ¯ {\displaystyle {\overline {H_{1}H_{C}h_{C}h_{1}H_{1}}}} : 面積 H 1 H C a C b 1 H 1 ¯ {\displaystyle {\overline {H_{1}H_{C}a_{C}b_{1}H_{1}}}} = 1 : (1 - m1) となるように 曲線 a C b 1 ¯ {\displaystyle {\overline {a_{C}b_{1}}}} を引けば、面積 H T H 1 H C a C b 1 h 1 H T ¯ {\displaystyle {\overline {H_{T}H_{1}H_{C}a_{C}b_{1}h_{1}H_{T}}}} がタービン流入量 1 kg あたりの全タービン仕事を表す。 図 2 に示す赤の破線がこの補正結果を表しており、補正後のサイクルは閉曲線 a C b 1 h 1 H T H 1 H C a C ¯ {\displaystyle {\overline {a_{C}b_{1}h_{1}H_{T}H_{1}H_{C}a_{C}}}} となる。面積 a C h C h 1 b 1 a c ¯ {\displaystyle {\overline {a_{C}h_{C}h_{1}b_{1}a_{c}}}} の部分を削除したことになり、無駄の多い低温での加熱部分を削除してカルノーサイクル(長方形)により近い形となっている。これが再生によりランキンサイクルの熱効率が向上する理由である。
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