T細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:27 UTC 版)
TGF-β1は、CD4+T細胞から調節機能を持つ誘導性制御性T細胞(iTreg)と炎症性サイトカインを分泌するTh17細胞の双方を誘導する。 活性化ヘルパーT細胞からのFOXP3(英語版)の発現と制御性T細胞(Treg)への分化にはTGF-β1のみが関与するが、この分化の機構はiTregと内在性制御性T細胞(nTreg)の双方で不明である。マウスモデルでは、TGF-β1の影響は年齢依存的であるようである。 In vitroにおいてTGF-β1の中和はヘルパーT細胞のTh17細胞への分化を阻害する。Th17細胞の形成におけるTGF-β1の役割は、抗炎症性サイトカインというTGF-βの一般的概念とは反するものである。しかし、このサイトカインがiTregとTh17の分化に共通して必要であることは、この2つの細胞タイプの不均衡が自己免疫と重要な関連を有することを示唆している。Th17細胞の分化にはTGF-β1に加えて活性化樹状細胞からのIL-6による共活性化が必要であり、これは転写因子STAT3を活性化する役割を果たす。しかしながら、Th17細胞の分化の分子機構の詳細は未解明である。Th17細胞はTh1やTh2の系統とは異なり調節機能を持つことが示されており、TGF-β1が免疫系の調節機能を持つことのさらなる証拠となっている。
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