Srcキナーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:20 UTC 版)
Srcファミリーのキナーゼは、活性化状態を維持するために自己リン酸化を利用するタンパク質である。Srcキナーゼは、細胞成長や細胞接着の強度に影響を与えるシグナル伝達経路に関与している。後者の機能は細胞遊走の制御に寄与している。そのため、Srcキナーゼのダウンレギュレーションはがん細胞の成長や浸潤能を亢進させる場合がある。Srcキナーゼの活性はリン酸化とSH2、SH3ドメインを介した分子内相互作用の双方によって調節されている。Srcキナーゼの活性化機構は次のようなものであると考えられている。 SrcキナーゼはSH2ドメインがリン酸化チロシンに結合することで不活性型に維持されている。 Tyr527の脱リン酸化によって、SH2、SH3ドメインが解放される。 その後のTyr416の自己リン酸化によってキナーゼが活性化される。 がんで観察されるSrcキナーゼの恒常的活性化は、Tyr527の欠失や、高親和性リガンドによるSH2、SH3ドメインの置換によってTyr416の恒常的な自己リン酸化が生じている場合がある。
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