SU-45_(自走砲)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > SU-45_(自走砲)の意味・解説 

SU-45 (自走砲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 01:18 UTC 版)

SU-45
種類 自走砲
原開発国  ソビエト連邦
開発史
製造期間 19351936年
製造数 2輌
諸元
重量 3.4t(4.3~4.5t)
全長 3.78m(3.80m)
全幅 2.234m(2.25m)
要員数 2名(3名)

装甲 4~8mm(4~9mm)
主兵装 20-K 45mm戦車砲
副兵装 7.62mm DT機銃
エンジン GAZ-AA
速度 40km/h
テンプレートを表示

SU-45は、ソビエト連邦の試作水陸両用自走砲。二つの試作車両があり、性能諸元の( )内の数字は二台目の車両のもの。

概要

1935年3月22日から開発が始まった。

ソ連では自走砲という車種がなかなか量産体制にまで移行せず、いずれも到底実戦運用出来るレベルではなく量産に至っていない。

SU-45の試作車両二輌はそれぞれ、水陸両用戦車であるT-37T-38のシャーシに、当時としては強力な45mm戦車砲を装備させたものであった。

T-37ベースの方は、元々はSU-37と呼ばれていたが、後に搭載砲の口径を基準にした命名法に変更されたために、SU-45と改称された。そのことが、現代において、T-38ベースのSU-45との、情報の混同と混乱を招く原因となった。

SU-45は、計画では水上浮航可能の予定で、車体後尾にスクリューと舵を備えていた。しかし実際には、完成した試作車は、軍の要求の条件より重量過大で、水上浮航は不可能となった。

性能

SU-45に始まったことではないが、ソ連がこれまで開発した自走砲はいずれも豆戦車やトラクターのシャーシに強力な戦車砲を搭載しようとして失敗していた。

SU-45にしても、豆戦車同然のT-37とT-38のシャーシに45mm戦車砲は相当な無理があり、軽量化のためにオープントップ構造であり(天候対策など必要ならば屋根としてキャンバスカバーを張る)、元々低い防御力が更に低くなっている。

当初の軍の要求に3t以内の重量という条件があったが、試作車両のいずれもこれをオーバーしてしまっており、しかもエンジンの出力が重量に対して不足していた。

一方搭載出来る弾薬は機銃は1000発、主砲弾はT-37型は51発、T-38型は100発とそれなりに多く、一応速度は当時の自走砲としては充分なものであった。ただし実際には、この砲弾搭載数の情報は、その車体の小型さからすると、疑わしい。

豆自走砲開発の打ち切り

1936年1月1日までに最初の試作を完成させる計画にもかかわらず、予定より遅れ、1936年の春に完成。

T-37型によるテストが何度か行われるのと並行してT-38型の試作も完成するが、1936年の春頃に行われたテストの際にT-37型が失われた。

引き続きT-38型によるテストが行われるが、T-37型の際に指摘された脆さなどが殆ど改善されておらず、また内部がかなり窮屈である事が問題となっていたが、T-38型は乗員が一人増えた事で更にこれが悪化していた。

また、計画予定よりも重量過大となったことから、水上浮航能力を失ったことや、豆戦車ベースでは、エンジンの出力不足や、シャーシやパワートレインが耐えられないなど、機械的信頼性にも欠けるという、欠点があった。これらの理由により、ソ連では、SU-45は元より、豆戦車を元にした自走砲の、開発を放棄することとなった。

関連項目

参考

  • [1] SU-45の画像



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「SU-45_(自走砲)」の関連用語

SU-45_(自走砲)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SU-45_(自走砲)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSU-45 (自走砲) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS