Rocket_eBookとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Rocket_eBookの意味・解説 

Rocket eBook

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 18:04 UTC 版)

Rocket eBook
開発元 NuvoMedia[1]
発売日 1998年11月 (1998-11)[1]
標準価格 499ドル[2]
メモリ 4096 KB[3]
ディスプレイ 105 dpi ワイドアングル・モノクロ・タッチパネル液晶(78x115ミリメートル)[3]
外部接続 クレードルとの接続ポート、赤外線通信ポート、ACアダプターポート[3]
電源 充電式(バックライト使用時:17時間、バックライト不使用時:33時間)[3]
サイズ 125x190x40ミリメートル[3]
重量 640グラム[3]

Rocket eBookは、アメリカのNuvoMedia社が製造し、1998年11月に発売した電子書籍リーダーである[1]

バーンズ・アンド・ノーブルのサイトからインターネット経由でパソコンを使って電子書籍を購入し、ケーブルで接続したクレードルを介して専用のソフトを用いRocket eBookに転送して使用した[1]。画面はモノクロのタッチパネル液晶を採用し、内蔵メモリは4メガバイトで、最大10冊の電子書籍を保存することができた[1]

本体にはバックライトのオン・オフを兼ねた電源スイッチと、2スクロールボタンがあり、また画面の4ファンクションアイコンで、書籍管理や、フォントの変更、検索、画面の回転などをおこなった[3]

2000年2月にNuvoMediaはジェムスターに買収され、のちにRocket eBookの後継機が別の会社から発売されたが、売り上げが低迷したため2003年6月に電子書籍リーダーの販売は中止され、翌月には電子書籍の販売も終了した[4]

沿革

1997年、マーティン・エバーハルト英語版マーク・ターペニング英語版はNuvoMedia社を設立し、Rocket eBookのプロトタイプを開発した[5]。開発支援を得るために、プロトタイプは1997年後半にシアトルAmazonジェフ・ベゾスの元に持ち込まれたが、電子書籍をダウンロードするのにパソコンが必要になる点に懸念が示され、また独占契約を求められるなど、交渉はうまくいかなかった[5][注釈 1]。その後、ニューヨークバーンズ・アンド・ノーブルに話が持ち込まれ、バーンズ・アンド・ノーブルとベルテルスマンがそれぞれ200万ドルを投資することで合意し、両社でNuvoMediaの株式をほぼ半分保有することになった[5]

Rocket eBookは1998年に発売され、初年度には2万台が販売された[5]。1999年にはシスコが投資し新たなパートナーに加わった[5]。しかしNuvoMediaは第二世代モデルの開発に必要な資金を調達することができず、2000年2月、ジェムスターen:Gemstar)に約1億8,700万ドルの株式取引で売却された[5]。売却から数か月後、エバーハードとターペニングは同社を離れた[5]。その後、二人は2003年にテスラ社を創業した[7]

ジェムスターはNuvoMediaに加え、別の電子書籍リーダーを販売していたSoftBook英語版も買収し、2000年11月、アメリカでRocket eBookの後継機となるモノクロ画面のREB 1100ロシア語版と、SoftBook Readerの後継機となるカラー画面のREB 1200を発表した[4]。どちらもトムソン・マルチメディアRCAレーベルで製造された[4]。REB 1100は299ドル[8]、REB 1200は699ドル[9]で発売された。

ジェムスターはヨーロッパへ展開することも考え、2002年の秋にはジェムスターから、より安価な電子書籍リーダーGEB 1150とGEB 2150が発売されたが、売上は期待を大きく下回り、同社は2003年6月に電子書籍リーダーの販売を中止し、翌月には電子書籍の販売も中止した[4][5]

脚注

注釈

  1. ^ Amazonが電子書籍リーダーKindleを発売するのは2007年である[6]

出典

  1. ^ a b c d e 電子書籍端末の歴史”. 紀伊國屋書店Kinoppy. 紀伊國屋書店. 2025年6月18日閲覧。
  2. ^ Books With No Pages” (英語). Newsweek (2010年3月13日). 2025年6月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 関戸雅男 (1999年1月19日). “The Rocket eBook by NuvoMedia, Inc.”. イースト株式会社. 2025年6月18日閲覧。
  4. ^ a b c d Marie Lebert (2011年7月16日). “eBooks: 1998 – The first ebook readers” (英語). Project Gutenberg News. 2025年6月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h Michael Kozlowski (2018年12月2日). “The Tale of Rocketbook - The very first e-reader” (英語). Good e-Reader. 2025年6月18日閲覧。
  6. ^ Kindle”. JEPA|日本電子出版協会 (2016年12月12日). 2025年6月18日閲覧。
  7. ^ 金澤一央、DX Navigator編集部 (2021年7月14日). “【図解】テスラは何がどうすごいのか、「自動車業界の破壊者」のビジネスを徹底分析”. ビジネス+IT. ソフトバンククリエイティブ. 2025年6月18日閲覧。
  8. ^ Ken Feinstein (2001年2月22日). “RCA REB1100 eBook review: RCA REB1100 eBook” (英語). CNET. 2025年6月18日閲覧。
  9. ^ Ken Feinstein (2001年2月22日). “RCA REB1200 eBook review: RCA REB1200 eBook” (英語). CNET. 2025年6月18日閲覧。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  Rocket_eBookのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Rocket_eBook」の関連用語

Rocket_eBookのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Rocket_eBookのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのRocket eBook (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS