QCDと漸近的自由性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 04:01 UTC 版)
「結合定数 (物理学)」の記事における「QCDと漸近的自由性」の解説
詳細は「漸近的自由性」を参照 非可換ゲージ理論においてはベータ関数が負の値をとる場合がある。一例として、量子色力学 (QCD) のベータ関数は特定の条件を満たしている限り常に負の値をとり、このときエネルギースケールの増加に伴い結合定数は減少する。 高エネルギースケール(近距離領域)において、QCDの結合定数は対数関数的に減少する。この弱結合領域の現象は漸近的自由性として知られており、高エネルギースケールにおける結合定数は摂動的な近似により以下のように表される。理論のエネルギースケールを Q とすると α s ( Q 2 ) ≡ g s 2 ( Q 2 ) 4 π ≈ 1 β 0 ln ( Q 2 / Λ 2 ) {\displaystyle \alpha _{s}(Q^{2})\equiv {\frac {g_{s}^{2}(Q^{2})}{4\pi }}\approx {\frac {1}{\beta _{0}\ln(Q^{2}/\Lambda ^{2})}}} ただし、 β 0 = 33 − 2 n f 6 π {\displaystyle \beta _{0}={\frac {33-2n_{f}}{6\pi }}} であり、nf はクォークのフレーバー数、Λ はQCDスケールである。 一方、エネルギースケールの減少に伴い結合定数は増加する。これは、低エネルギースケール(遠距離領域)においてQCDの結合が強くなることを意味しており、クォークの閉じ込めを示唆する証拠にはなっているが、この領域での結合定数の振る舞いは摂動論によって解析できず、非摂動的な方法が必要となる。
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