P-TEFbの調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/21 10:10 UTC 版)
P-TEFbは真核生物の遺伝子発現の制御に中心的な役割を果たすため、各サブユニットをコードする遺伝子の転写、mRNAの翻訳、タンパク質のターンオーバーのレベルで厳格に調節されており、さらに7SK snRNPが関与する珍しい機構によっても調節されている。P-TEFbは二本鎖RNA結合タンパク質HEXIM(ヒトではHEXIM1(英語版)またはHEXIM2(英語版))によって7SK snRNPに保持される。7SK RNAまたは他の二本鎖RNAに結合したHEXIMはP-TEFbに結合し、そのキナーゼ活性を阻害する。7SK RNAには他の2つのタンパク質が常に結合している。MEPCE(methylphosphate capping enzyme)は7SK RNAの最初のヌクレオチドのγ-リン酸にメチル基を付加し、LARP7(La-related protein 7)は7SK RNAの3'末端に結合する。7SK snRNPからP-TEFbが抜き取られると、7SK RNAはコンフォメーション変化を起こし、HEXIMは放出されてhnRNPが除去された因子に置き換わる。P-TEFbが再隔離されるためには、RNAの再編成、HEXIMの結合、そしてその後にP-TEFbの結合が起こる必要がある。
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