Micro-Star Internationalとは? わかりやすく解説

Micro-Star International

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/01 00:58 UTC 版)

微星科技股份有限公司
Micro-Star International Co., Ltd. (MSI)
種類 公開会社
市場情報
TSE 2377
略称 MSI
本社所在地 台湾
新北市中和区立德街69號
設立 1986年
業種 電気機器
代表者 CEO 徐 祥 (Joseph Hsu)
資本金 284.59億円
売上高 連結:2280.27億円 [1]
(2012年)
純利益 連結:29.13億円[2]
(2012年)
外部リンク jp.msi.com
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MicroStar International(マイクロスター・インターナショナル、略称:MSI)は、台湾コンピュータやコンピュータ関連部品を製造する会社であり、世界有数のマザーボードビデオカードの製造メーカーでもある。主な製品は高性能のビデオカードノートパソコン、およびゲーム専用パソコンなど。

1986年に5人のソニー台湾の元技術者の徐 祥[3]盧 琪隆[4]黃 金請[5]林 文通[6]游 賢能[7]によって設立された。旧ロゴの星型は社長を中心に4人の技術者でコンピュータ業界の星になろうと願いを込めているのが由来である。

コアビジネスのマザーボードとビデオカード事業は120カ国以上にのぼり生産量は2000年にマザーボードは世界第3位に、ビデオカードは世界第1位となり、累計出荷量はマザーボード1.5億枚、ビデオカード1億枚を越えた。近年はラップトップパソコン、デスクトップパソコン、液晶ディスプレイ、タブレットPC、サーバ、組み込みシステム分野にも進出し2008年にはMSI 100%子会社のFUNTORO社を設立し車載用コンピュータ、カーナビゲーション分野にも進出し多角化している。2009年には企業ロゴを現行の物に一新するとともに「Innovation with style」という企業スローガンを制定。デジタル時代の主要なブランドとしてグローバル市場においてパイオニアであり続け、その中核となる消費者のニーズとグローバルな技術革新の分野で世界をリードする事を目指している。日本法人(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社、代表取締役林 文通、資本金2,000万円、所在地東京都台東区)は1999年に設立。

本社

グループ概要

  • 本社名:微星科技股份有限公司 (英語表記: Micro-Star International Corporation Limited
  • 所在地:台湾新北市中和區立德街69號
  • 設立:1986年8月
  • 資本金:284.59億円 (2013年)
  • 売上高:2280.27億円 (2012年)
  • 社員数:18,000名 (グループ合計/2011年現在)
  • 生産拠点:台湾新北市中和區、中国昆山、深圳、上海
  • 海外支社:オーストラリア、カナダ、中国、インド、マレーシア、イギリス、アメリカ、 アラビア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、 エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、 アイスランド、イタリア、日本、韓国、マイアミ、ラトビア、リトアニア、 メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、 ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン タイ、トルコ(ABC順)
  • 製造製品:マザーボード、グラフィックス、ベアボーンシステム、ラップトップPC、デスクトップPC、タブレットPC、液晶ディスプレイ、MP3関連商品、ポータブルメディアプレイヤー、通信機器 等
  • 生産能力:マザーボード:月産210万枚
  • グラフィックス:月産110万枚
  • ラップトップパソコン:月産70万台
  • サーバー:月産30万台
  • デスクトップPC:月産60万台
  • デジタルオーディオ&通信関連機器:月産150万台、

日本法人概要

  • 会社名:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社 (MSI-J)
  • 所在地:東京都台東区東上野1丁目11番地4号 ザイマックス東上野ビル3階
  • 設立:1999年1月
  • 資本金:2,000万円
  • 株主:微星科技股份有限公司 100%
  • 事業内容:コンピューターハードウェア・ソフトウェア・通信機器・家電製品・周辺機器・部品等の輸出入、販売、保守サービス

沿革

出来事
1986 08 Micro-Star International Corporation Limited(微星科技股份有限公司)設立
1995 12 MSI ISO9002 認証取得
1996 MSI ISO9001 認証取得
1998 08 MSI 台湾株式市場1部上場
1999 01 MSI Intel Corporation とのオフィシャルパートナー契約締結
  • MSI 100%子会社の日本法人としてエムエスアイコンピュータージャパン株式会社(以下MSI-J)を設立、
  • 東京都港区三田1-2-18 TTDビルに事務所を構える
07 MSI-J オフィスを東京都港区芝4-10-1 ハンファビルに移転
10 MSI ISO14001 認証取得
2000 07 MSI-J オフィスを東京都港区東新橋2-5-14 新橋山根ビルに移転
10 MSI-J サポートセンター設置
2002 01 MSI-J 修理部門設立
07 MSI-J オフィスを東京都千代田区東神田1-17-6 C&Kビルに移転
08 MSI-J 米沢事業所を設立
2005 04 MSI-J 東京リペアセンターを設立
2006 07 MSI-J オフィスを東京都台東区東上野1-1-12 栗橋ビルに移転
2009 03 MSI-J ノートPCほかシステム製品専用お客様相談窓口を開設
2011 05 MSI-J マザーボード/グラフィックスカード専用電話番号をフリーコール化
2012 03 MSI-J サポートセンターを移転
MSI-J オフィスを現住所に移転
07 お客様サポート体制を変更。マザーボード/VGAは代理店経由に、ノートPC/Tablet/AIOはお客様ご相談窓口の電話番号変更

日本における正規代理店

  • 株式会社アスク
  • 株式会社アユート
  • 株式会社マイルストーン
  • 株式会社リンクスインターナショナル
  • かつての代理店
    • アイル株式会社
    • 加賀電子株式会社
    • 興隆商事株式会社
    • CFD販売株式会社
    • 株式会社シネックス (現 株式会社テックウインド)
    • 株式会社東京エンジニアリング (TEN)
    • 株式会社トライコーポレーション (Justy)
    • ユーエーシー株式会社
    • rabo T.a.n

製品

主な製品としては、マザーボードビデオカードラップトップパソコンデスクトップパソコンディスプレイ (コンピュータ)などがある。製品はOEM供給されることが多く、ATI Technologies(現AMD)やNVIDIAも同社で製造している。2001年にはビデオカード生産量が世界一位となる。米国インテル社のオフィシャルパートナー (Tier-1)ベンダーの一つでまた、AMD Athlon (K7) 用マザーボード「MS-6167」やAthlon 64 (K8)用であるVIA K8T800チップセットを搭載した「K8T NEO-FIS2R」[8]を世界初で発売したメーカーでもある。かつては日本法人独自に1999年にIntel 440BXチップセット搭載のSlot1マザーボードにSocket 370変換カードを同梱した「MS-6199」や2003年にビデオカード冷却にヒートレーンを採用したNVIDIA GeForce4 Ti搭載の「寂、」シリーズのようなコアな自作PCユーザーに向けたユニークな製品を企画販売した。新技術の取り入れにも積極的で世界初のデュアルSocket 370、IDE RAIDをサポートした「694D Pro-R」[9]、世界初のUSB2.0搭載のマザーボード「K7T266 Pro2-RU」[10]をはじめUSBネットワークに対応した製品や世界初のBluetooth搭載のマザーボード、省電力とオーバークロック機能を両立した「Core Cell」[11]チップ搭載マザーボード、マザーボード上のコンデンサが全て「Hi-c Cap」[12]を搭載したマザーボード、低発熱・省電力の「DrMOS」[13][14]を搭載したマザーボードなど業界の先駆けの製品を数多く発売した。それ以外にもラジオチューナーを搭載したオーディオ風のベアボーンPC(CPU、メモリ、HDD、光学ドライブを取り付ければ自作可能なPCキット)の「MEGA PC」シリーズ[15][16]などもユニークな製品だった。また同社製のマザーボードは、オーバークロックしやすいことで有名で、オーダーメイドPC販売を行うAlienwareやFalcon Northwest(英語)などは、MSIブランドのマザーボードを使用していることで知られている。また、日本のパソコンメーカーではNECEPSONSONYマウスコンピューターサードウェーブ (Prime)、KOUZIRO (Frontier)、九十九電機 (eX. Computer)、ロジテックユニットコムなどへも、サーバ、ノートブック、ビデオカード、ベアボーン及びマザーボードの供給実績がある。

OEM供給に加えて2008年より日本で自社ブランドの展開を開始しネットブックのWind Netbook U100[17]を皮切りにゲーミングラップトップパソコンのGシリーズ[18]、2009年にはUltrabookを先取りするような薄型ラップトップパソコンのX-Slimシリーズ[19]、2011年にはタブレットPCのWindPadシリーズを発売した。世界的に有名な賞を数多く受賞しており、2004年にはデジタルオーディオプレーヤー「MEGA Player 515」[20]、「MEGA Player 516」[21]、「MEGA Player 521」[22]及びモバイルストレージ「MEGA CACHE 15[23]」の4製品がグッドデザイン賞を受賞をはじめ世界50カ国・350以上のメディアから約8,000もの賞を獲得している。2013年にはオンラインFPS ゲーム「Alliance of Valiant Arms(アライアンス オブ ヴァリアント アームズ)」のゲーミングチームであるGalacticとのスポンサー契約を皮切りに、2014年にはDeToNator、2017年にはSengoku Gaming、2018年にはSunSisterとスポンサー契約し、ゲーミングラップトップPC[18]、ゲーミング用マザーボード[24]及びビデオカード[25]をはじめとする高性能なMSIゲーミング製品[26]の提供を通じてゲーミングチームの活動をサポートしe-スポーツ競技の普及を支援している。

製品ラインナップ

不祥事

2023年のサイバー攻撃被害および並びに情報流出

  • 4月7日(現地時間)、サイバー攻撃被害を公式サイトにて報告[27]。公式サイト以外からのBIOSおよびファームウェア・アップデート取得をしないようユーザーに警告[27]。なお攻撃手法の詳細は現時点では不明(非公表)[27]en:Tom's Hardware(技術系メディア)が独自にMSIに連絡を入れているが、記事作成時点で返答はない[27]
    • なお公表前日に、en:Bleeping Computer(技術系メディア)が「『Money Message』と名乗るランサムウェアグループが、MSIからソースコードを盗んで400万ドル(約5億3000万円)の身代金を要求している」と報じていた[27]。Bleeping Computerも連絡を入れているが記事作成時点では返答は得られてないため、Money Message側の主張が真実か否かを確認できてない[27]
      • なお盗まれた物には、臨床試験管理システム(CTMS)、ERPデータベース、ソースコード、秘密鍵、BIOS・ファームウェアなどが含まれ、MSIが身代金の支払いを行わない場合、上記のデータ(1.5TB分)を公開すると脅迫していた[27]
  • 5月8日(JST)、MSIが身代金の支払いを拒否したため、Money Messageがen:Intel Boot Guard(vPro)の秘密鍵など1.5TBの機密ファイルを公開[28]
    • 公開ファイルをBinary(サイバーセキュリティ会社)が分析したところ、MSI製品57点のファームウェアの署名キーが含まれており、これが悪用されると、MSIを装った悪意あるアップデートが行われる可能性があるという[28]。同社CEOアレックス・マトローソフは、フィッシング攻撃後の第2段階のペイロードとしてキーが用いられる可能性を指摘している[28]
    • この他にもMSI製品116点のIntel Boot Guardのキーが含まれてたこともわかっており、キーの流出に関してはMSIにのみ止まらず、インテルレノボSupermicroなど、多方面に影響を与えると指摘されている[28]

脚注

参考文献

MSIが日本で行った記者発表会及びイベントのメディア報道

関連項目

外部リンク

MSI公式ホームページ

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