単位料金区域
単位料金区域(たんいりょうきんくいき、英: message area、MA)は、アナログ回線利用時に固定電話が市内通話料金で相互通話可能区域である。
概要
隣接する市町村など、社会的・経済的に結びつきが強く、区域内通話の多い地域が、総務省により指定される。ほとんどのMAは一つの閉域番号区域(市外局番+市内局番の6桁のうち、頭2 - 5桁)で構成されるが、複数の閉域番号区域から構成される地域も存在する(下記参照)。市町村合併などで単位料金区域と市町村の境界が一致しない地域も多い。
NTT東日本・NTT西日本の固定電話の月額基本料金は、このMA内で区域内通話できる電話回線の数で異なる。MA内の電話加入者総数で3等級に分けており、電話加入者総数5万未満が1級局、5万 - 40万未満が2級局、40万以上が3級局、基本料金は1級が最も安く、3級が高い。3級に向かうにつれて市内通話先が増えて平均的通話料が安くなるため、基本料金で差額を埋めている[1]。
以下、本項では特に記載しない限り、NTT東日本とNTT西日本において使用する単位料金区域について述べる。NTT東日本・NTT西日本以外の電気通信事業者で、単位料金区域を使用した料金制度を行なう電話サービスは以下のものとは異なるので注意。
2024年1月からNTT東日本NTT西日本はIP網へ移行して通話料が全国一律となり、単位料金区域内外による通話料の違いはなくなったが、等級分けによる月額基本料金はそのまま存置している。
回線数
NTT東日本とNTT西日本は2006年12月27日にユニバーサルサービスに関する情報開示としてMAごとの回線数を公表した[2][3]。以下に回線数の多いMAと少ないMAを載せた。表中の都市名はMA内における人口最多の市町村である。
回線数の多いMA
- 03(東京都特別区部(23区)・東京MA) 4,876,185回線
- 06(大阪府大阪市・大阪MA) 2,200,274回線
- 045(神奈川県横浜市・横浜MA) 1,478,394回線
- 052(愛知県名古屋市・名古屋MA) 1,121,462回線
- 011(200 - 399・500 - 899)(北海道札幌市・札幌MA) 836,058回線
- 092(320 - 339を除く)(福岡県福岡市・福岡MA) 835,180回線
- 078(兵庫県神戸市・神戸MA) 798,202回線
- 075(京都府京都市・京都MA) 759,246回線
- 048(600 - 899)(埼玉県さいたま市・浦和MA) 682,120回線
- 044(神奈川県川崎市・川崎MA) 561,645回線
東京都23区を除き、すべて政令指定都市である。
回線数の少ないMA
- 09913(鹿児島県鹿児島郡三島村・硫黄島MA) 263回線
- 09912(鹿児島県鹿児島郡十島村・中之島MA) 447回線
- 01648(北海道苫前郡羽幌町・焼尻MA) 461回線
- 09802(沖縄県島尻郡南大東村・南大東MA) 903回線
- 04998(東京都小笠原村・小笠原MA) 970回線
- 07468(奈良県吉野郡上北山村・上北山MA) 1,233回線
- 04994(東京都三宅村・三宅MA) 1,250回線
- 05769(岐阜県高山市荘川地区および大野郡白川村・荘川MA) 1,554回線
- 01397(北海道奥尻郡奥尻町・奥尻MA) 1,810回線
- 0746(60 - 69)(奈良県吉野郡十津川村・十津川MA) 2,381回線
奈良県と岐阜県を除き、すべて離島である。
方形区画
方形区画は、単位料金区域に対してアナログ回線利用時の相互間の距離の計算のため割り当てられた2次元平面位置座標である。日本全国を2kmごとに区切り、東西・南北方向に番号が割り振られている。隣接区域以遠の市外通話、及び離島特例適用外の離島への通常の市外通話時の通話距離を定める距離基点位置座標である。
この座標は各MA=(単位料金区域)の中心基地電話局で、電電公社時代にMA内から全国へ市外通話するために必要な市外交換台(または市外交換機)及びその他の設備として番号案内台が設置された市外電話局(区域代表・中心基地電話局)の位置とほぼ一致する(現在、市外交換機の機能は各種中継電話局の交換機に分散装備化されている。市外交換台・番号案内台は国内の特定か所のみに集約設置され、100番(現在はサービス廃止)と104番ダイヤル時に自動振り分けで接続される。市外通話料金計算の距離基点を定める方形区画の位置座標は変化がない。
下記、東京03と仙台022について計算する。
- (中心基地電話局・例1)
- (中心基地電話局・例2)
- 022仙台MAの中心基地電話局は、NTT仙台青葉通電話局(宮城県仙台市青葉区一番町2丁目。現在はNTT東日本仙台青葉通ビルと呼ばれている)。
2つのMA間の距離(km)は三平方の定理(ピタゴラスの定理)から算出された「2つのMA間に存在する2kmの個数」に2を掛けることにより求められる。
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