MSIプロトコル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 06:22 UTC 版)
「MESIプロトコル」の記事における「MSIプロトコル」の解説
MSIプロトコルはExclusive状態を持たないキャッシュプロトコル。MESIプロトコルでExclusive状態となるような状況では、Shared状態となる。 Invalid状態のキャッシュラインにCPUからリードを行う場合、他のキャッシュの当該キャッシュラインがModified状態でないことを保証しなければならないが、その方式はアーキテクチャによって異なる。一般的な方式としてはリード要求のブロードキャストがないかバススヌーピングで監視する。また、キャッシュ内に各キャッシュラインを最近リードしたキャッシュがどれかを示す情報を格納しておく方式もある。Modified状態のキャッシュラインを別のキャッシュが持っていた場合、その内容を主記憶に書き戻し、キャッシュライン自体はShared状態かInvalid状態へと遷移しなければならない。Modified状態のキャッシュラインが書き戻されると、当該キャッシュラインへは主記憶か他のShared状態のキャッシュから内容を読み込み、Shared状態へと遷移する。 ライト要求は当該キャッシュラインがModified状態ならローカルにキャッシュに書き込むだけで済む。Shared状態なら、他のキャッシュのShared状態のキャッシュラインを無効化する必要がある。これもリードと同様にバススヌーピングなどで実現する。その上でModified状態に遷移してローカルにキャッシュにライトを行う。Invalid状態の場合、他のキャッシュのShared状態とModified状態のキャッシュラインを無効化しなければならない。別のキャッシュの当該キャッシュラインがModified状態なら、そのキャッシュラインの内容を主記憶に書き戻すか、ライト要求したキャッシュに対して内容を送る。なお、一般にCPUのライト要求はせいぜいワード単位までであり、キャッシュラインは複数ワードという構成が一般的であるため、Invalid状態でのライト要求の場合、書き込みの前に当該キャッシュライン全体を読み込んでおく必要がある。 任意の2つのキャッシュがあるとき、それぞれの対応するキャッシュラインがとりうる状態の組合せは次のようになる。 M S I M S I
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