Krabbe病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:12 UTC 版)
ガラクトセレブロシターゼ欠損により中枢、末梢のミエリン形成細胞が障害をうけ、脱髄を引き起こす常染色体劣性遺伝疾患である。ガラクトセレブロシターゼの主要な基質であるガラクトセレブロシドではなくサイコシンの蓄積が脱髄の原因と考えられている。幼児期発症型は異染性白質ジストロフィーに類似する。頭部MRIではびまん性の大脳皮質脱髄像が得られる。末梢神経伝導速度は著明に低下する。確定診断は末梢白血球のガラクトセレブロシターゼ欠損の証明である。通常2歳までに死亡する。成人Krabbe病は10~40代に歩行障害、四肢筋力低下で発症する。凹足と脱髄性多発ニューロパチーがみられ、構音障害、失調、認知症、視神経萎縮を高率に伴う。頭部MRIでは錐体路と脳室周囲にT2高信号が認められる。骨髄移植や造血幹細胞移植で中枢神経障害が停止するだけではなく改善する。これは骨髄由来のミクログリアがドナー由来になるためと考えられている。
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