鬼ノ城とは? わかりやすく解説

鬼ノ城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 00:47 UTC 版)

鬼ノ城(きのじょう)は、岡山県総社市の鬼城山(きのじょうさん)に築かれた[1]日本古代山城神籠石式山城)。城跡は国の史跡「鬼城山」(1986年(昭和61年)3月25日指定)の指定範囲に包含される[2]


注釈

  1. ^ 国内の古代山城では、排水溝を石垣の最下部に設けるのが一般的であり、鬼ノ城の水口のある水門は特異な事例である。
  2. ^ 角楼は、張り出した櫓で、西門と防御背面側の防御施設である。朝鮮半島では雉城(ちじょう)と呼称する。金田城と屋嶋城の浦生地区に類例がある。
  3. ^ 朝鮮半島の山城をルーツとする様式で、城門の入口に進入しにくい段差のある城壁を設け、普段は梯子・木段などで出入りし、戦闘時は撤去する城門で、防御性能を高める構造。屋嶋城と大野城に類例がある。
  4. ^ 国内の古代山城では、大野城の大宰府口城門に類例があり、鬼ノ城の西門は二例目である。
  5. ^ 門道に埋設された排水溝の発掘は、国内の古代山城では初の事例である。その後、屋嶋城で二例目が発掘されている。
  6. ^ 交通路や城の進入路を塞ぐ塁状遺構は、「遮断城」と呼称されている。屋嶋城の浦生地区にも類例がある。
  7. ^ 古代の海岸線は内陸に深く入りこみ、児島半島は「」であり、吉備の穴海は瀬戸内海の西方に通じた海路であった。
  8. ^ 坂出市の国の史跡「城山」まで約50km、高松市の国の史跡および天然記念物「屋島」まで約52kmである。
  9. ^ 歴史学会・考古学会における大論争があった(宮小路賀宏・亀田修一「神籠石論争」『論争・学説 日本の考古学』第6巻、雄山閣出版、1987年)。
  10. ^ 1995年(平成7年)、文化財保護法の指定基準の改正にともない「神籠石」は削除され、「城跡」が追加された。

出典

  1. ^ 電子国土基本図(地図情報)ー国土地理院
  2. ^ 鬼城山 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  3. ^ 森公章 著 『「白村江」 国家危機と東アジア外交』、講談社、1998年、158-173頁。
  4. ^ a b c d 岡山県古代吉備文化財センター 編集/発行 『ここまで分かった 鬼ノ城』(鬼ノ城発掘調査報告会)、2013年、2-4・8-11頁。
  5. ^ a b c d 村上幸雄 乗岡 実 著 『鬼ノ城と大廻り小廻り』、吉備人出版、1999年、41-47頁。
  6. ^ 田中哲雄 著 『城の石垣と堀』 日本の美術 第403号、至文堂、1999年、20頁。
  7. ^ a b 岡山理科大学 岡山学研究会 著 『鬼ノ城と吉備津神社』、吉備人出版、2009年、26・51頁。
  8. ^ 平井典子 「鬼ノ城」『季刊 考古学』136号、雄山閣、2016年、91頁。
  9. ^ 谷山雅彦 著 『鬼ノ城』、同成社、2011年、161頁。
  10. ^ 葛原克人 「鬼ノ城跡」 『東アジア考古学辞典』、東京堂出版、2007年、132頁。
  11. ^ a b c 村上幸雄 「古代山城の魅力」『古代山城・鬼ノ城を歩く』、吉備人出版、2002年、10-22頁。
  12. ^ 総社市教育委員会 編集/発行 『古代山城 鬼ノ城 ー展示ガイドー』、2005年、27頁。
  13. ^ 松尾洋平 「古代山城 鬼ノ城ー発掘調査成果から展望するー」『溝漊』 第14号、古代山城研究会、2009年、49頁。
  14. ^ a b 葛原克人 「吉備の古代山城」『古代山城・鬼ノ城を歩く』、吉備人出版、2002年、148-152頁。
  15. ^ 高橋 護 「鬼城山・築地山」『考古学ジャーナル』 NO.117、ニュー・サイエンス社、1976年、13-15頁。
  16. ^ 坪井清足ほか 『鬼ノ城』、鬼ノ城学術調査委員会、1980年。
  17. ^ 村上幸雄 「鬼ノ城」『古代文化』第61巻第4号、古代學協會、2010年、119頁。
  18. ^ 亀田修一 「古代山城は完成していたのか」『古代山城の成立と鞠智城』鞠智城シンポジウム2013(東京会場・大阪会場)、熊本県教育委員会、2014年、41-43頁。
  19. ^ 狩野久 「西日本の古代山城が語るもの」『岩波講座 日本歴史』 第21巻 月報21、岩波書店、2015年、1-4頁。
  20. ^ 赤司善彦 「古代山城研究の現状と課題」『月刊 文化財』 631号、第一法規、2016年、10-13頁。
  21. ^ 鬼ノ城発掘/県教委と住民合意/来月から試掘調査着手。山陽新聞、1999年7月30日閲覧。


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