角谷の不動点定理
数学の解析学の分野における角谷の不動点定理(かくたにのふどうてんていり、英: Kakutani fixed-point theorem)は、集合値函数に対する不動点定理である。ユークリッド空間のあるコンパクトな凸部分集合が不動点(すなわちそれを含む集合へ写像される点)を持つための十分条件を与える定理である。角谷の不動点定理は、ブラウワーの不動点定理の一般化である。ブラウワーの不動点定理は、ユークリッド空間のコンパクトな凸部分集合上で定義される連続函数の不動点の存在を示すものであった。角谷の定理はこれを集合値函数に拡張したものである。
この定理は角谷静夫によって1941年に証明され[1]、ジョン・ナッシュによりナッシュ均衡を表現するために用いられた[2]。その後、ゲーム理論や経済学における幅広い分野で応用されている[3]。
内容
角谷の定理の内容は次のようになる[4]:
- S を、ユークリッド空間 Rn の空でないコンパクト凸部分集合とする。φ: S → 2S を S 上の集合値函数で、閉グラフと次の性質を備えるものとする:φ(x) は x ∈ S に対して空でない凸集合である。このとき、φ は不動点を持つ。
定義
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