Johan Peter Emilius Hartmannとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Johan Peter Emilius Hartmannの意味・解説 

ヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマン

(Johan Peter Emilius Hartmann から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/04 14:24 UTC 版)

ヨーハン・ペーター・エミリウス・ハートマン
ハートマン像
基本情報
生誕 (1805-03-10) 1805年3月10日
出身地  デンマーク コペンハーゲン
死没 (1900-03-11) 1900年3月11日(95歳没)
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家

ヨーハン・ペーター・エミリウス・ハートマンJohann Peter Emilius Hartmann, 1805年5月14日 コペンハーゲン1900年3月10日 同地)は、デンマーク作曲家。息子エミールも作曲家になった。単にJ・P・E・ハートマン(J.P.E. Hartmann)と記されることも多い。

略歴

ドイツ系の音楽家の家系に生まれる。当初は父親から音楽の手解きを受けたものの、できる限り独習するようになる。父親の望みを容れて法理学を学び、文官として1829年から1870年まで務め上げるが、積極的な音楽活動も追究した。1824年までにはコペンハーゲン・ガルニソン教会(Garnisons Kirke)のオルガニストに就任しており、1832年には、歌劇《大烏(Ravnen)》によって作曲家デビューを果たす。

1836年ドイツフランスに初めて遊学し、ルイジ・ケルビーニジョアッキーノ・ロッシーニルイ・シュポーアフレデリック・ショパンら当地の名高い音楽家と親交を結ぶ。とりわけシュポーアは、デンマーク人作曲家のクリストフ・エルンスト・フリードリヒ・ヴァイゼと並んで最も重要な助言者となった。その後も数年間ドイツを訪問しながら、その間デンマーク音楽協会を1836年に設立して、没年までその会長を務めた。1843年にガルニソン教会から、コペンハーゲン聖母教会(Vor Frue Kirke)に移籍し、また学生合唱協会の指揮者も務めた。これらの任務も没年まで就いていた。

1827年よりジュゼッペ・シボーニ音楽学校で教鞭を執った後、1867年ニルス・ゲーゼやホルガー・シーモン・パウリらとともにコペンハーゲン音楽院の設立に尽力してその院長に就任した。生前のハートマンはデンマークの音楽界の中心人物であり、多くから音楽関係の絶対的な権威と認められていた。息子エミール・ハートマンも作曲家であり、娘はニルス・ゲーゼと結婚した。

作曲様式

ハートマンの作品は、真摯な表現と劇的な生命力、とりわけ、デンマークの聴衆に奥底から訴えかける民族的な色彩が特徴的である。北欧的な要素は1830年代以降に強烈に浮上し、デンマーク民謡に基づく主題、どちらかというと暗い音色に向かいがちな傾向、そして転調に顕著である。ハートマンはこのようなロマン主義的な影響を、古典的な訓練によって培った形式感や主題操作に結びつけた。したがってハートマンの作風は、しばしばフェリックス・メンデルスゾーンのそれを連想させる。

主要作品一覧

管弦楽曲

  • 交響曲 第1番 ト短調 作品17 (1835年)
  • 交響曲 第2番 ホ長調 作品48 (1847年~1848年)
  • アダム・エーレンシュレーヤーの悲劇による演奏会用序曲:
    • アクセルとヴァルボア(Axel og Valborg) 作品57 (1856年)
    • コレッジョ(Corregio) 作品59 (1858年)
    • ユルサ(Yrsa) 作品78 (1883年)
  • 付随音楽:
    • カール・ボアゴーの『ウンディーネ(Undine)』作品33 (1842年)
    • エーレンシュレーヤーの『ホーコン・ヤール(Hakon Jarl)』作品40 (1844年~1857年)
    • ダンテDante) 作品85 (1888年)
  • バレエ音楽:
    • ワルキューレValkyrien) (The Valkyries) 作品62 (1860年~1861年)
    • Thrymskviden) 作品67 (1867年~1868年)
    • Arcona) 作品72 (1873年~1875年)

室内楽曲

  • ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 作品8 (1826年)
  • ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ハ長調 作品39 (1844年)
  • ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ト短調 作品83 (1886年)
  • フルート・ソナタ 変ロ長調 作品1 (1825年)

ピアノ曲

  • ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 作品34 (1841年)
  • ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 (1853年)
  • ピアノ・ソナタ 第3番 イ短調 作品80 (1876年~1883年)
  • 多数の小品

オルガン曲

  • 幻想曲 イ長調 (1826年)
  • 幻想曲 ヘ短調 作品20 (1837年出版)
  • トルヴァルセンのための葬送行進曲 (1844年、オルガンと吹奏楽のための。オルガン独奏版は1879年出版)
  • エーレンシュレーヤーのための葬送行進曲 (1850年、オルガンと吹奏楽のための)
  • オルガン・ソナタ ト短調 作品58 (1855年)
  • ニルセンのための葬送行進曲 (1860年)
  • 大学祝典前奏曲 (1879年、吹奏楽のための)

声楽曲

  • 歌劇
    • 大烏(Ravnen) 作品12 (1830年~1832年)
    • 海賊 (Korsarerne) 作品16 (1832年~1835年)
    • 小さなキアステン (Liden Kirsten) 作品44 (1844年~1846年)
  • カンタータ(多数)
  • アダム・エーレンシュレーヤーによるメロドラマ《金の角(Guldhornene)》作品11 (1832年)
  • 合唱曲
  • リート

参考資料・外部リンク

  • "Hartmann 3)" in Meyers Konversations-Lexikon, Leipzig and Vienna: Verlag des Bibliographischen Instituts, 1885–92, 4th ed., vol. 8, pp. 185–86.

脚注



「Johan Peter Emilius Hartmann」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Johan Peter Emilius Hartmannのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Johan Peter Emilius Hartmannのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS