freee
freeeとは、freee株式会社が提供するオンラインの会計ソフトウェアの名称である。「フリー」と読む。
freeeはクラウドサービスとして提供されている、SaaS(Software as a Service)である。アプリケーションをマシンにインストール必要はなく、Webブラウザを通じてどこからでもログインできる。消費税率の変化などに伴うアップデートも不要となる。ある程度の機能は無料で利用できる。
また、経理や簿記の知識がなくても簡単に明細・帳簿が作成できる、明快なユーザーインターフェースと多様な機能もfreeeの特徴となっている。銀行カードやクレジットカードを登録しておくと、出納情報が同期され、会計帳簿が自動で作成できる。決算書や青色申告用の書類なども自動で作成できる。
freeeは2013年春に初めて公開された。同2013年のグッドデザイン賞を受賞している。2014年2月にはiPhoneアプリ版も公開されている。
参照リンク
freee
freee
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/03 10:05 UTC 版)
| |
|
| 種類 | 株式会社[3] |
|---|---|
| 機関設計 | 監査等委員会設置会社[3] |
| 市場情報 | [4] |
| 本社所在地 | 〒141-0032 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 21階[1] |
| 設立 | 2012年7月9日[3] |
| 業種 | 情報・通信業[4] |
| 法人番号 | 7010401100770 |
| 事業内容 | スモールビジネス向けクラウドERPおよび金融サービス等の開発・提供[5] |
| 代表者 | 佐々木大輔(代表取締役CEO)[5] |
| 資本金 | 129億1853万2000円(2026年6月30日現在)[5] |
| 発行済株式総数 | 5978万1402株(2026年6月30日現在)[5] |
| 売上高 | 連結:424億4168万円(2026年6月期)[5] |
| 営業利益 | 連結:10億9143万1000円(2026年6月期)[5] |
| 経常利益 | 連結:7億4688万4000円(2026年6月期)[5] |
| 純利益 | 連結:10億7790万5000円(親会社株主に帰属する当期純利益、2026年6月期)[5] |
| 純資産 | 連結:211億8652万2000円(2026年6月30日現在)[5] |
| 総資産 | 連結:619億2079万3000円(2026年6月30日現在)[5] |
| 従業員数 | 連結:1901人(2025年6月30日現在)[1] |
| 決算期 | 6月30日[5] |
| 会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人[3] |
| 主要株主 | 佐々木大輔 18.56% MSIP CLIENT SECURITIES 9.87% MSCO CUSTOMER SECURITIES 8.36% GOLDMAN SACHS & CO.REG 7.83% (2025年6月30日現在)[3] |
| 主要子会社 | freee biz株式会社、Likha-iT Inc、透明書店株式会社、freee創業融資サポート株式会社、株式会社ロジクラ、DeepApex株式会社(いずれも100%子会社)[1] |
| 外部リンク | https://corp.freee.co.jp/[1] |
| 特記事項:経営指標は連結。従業員数は連結会社の総数。 | |
フリー株式会社(英: freee K.K.)は、東京都品川区に本社を置く日本の情報通信企業。個人事業主および中小・中堅企業を主な対象に、会計・人事労務・販売管理などのクラウドサービス、決済・金融サービス、バックオフィス業務のアウトソーシングを提供する[6][7]。
2012年に佐々木大輔と横路隆が共同創業し[1]、2019年12月に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)へ上場した[8][9]。
概要
創業時の主力事業はクラウド会計ソフトであったが、その後は人事労務、請求・販売、支出管理、電子契約、開業・法人手続きへと業務領域を拡大した[6]。さらに法人カードや振込、資金調達などの金融・決済機能と、経理・人事労務の業務代行を組み合わせ、同社が「統合型経営プラットフォーム」と呼ぶ事業群を構成している[7]。
2026年6月期の連結売上高は424億4168万円、営業利益は10億9143万1000円であった[5]。同年6月末の有料課金ユーザー企業数は約69万5千件、年間経常収益(ARR)は435億9500万円としている[7]。
沿革
創業期(2012年から2015年)
- 2012年4月 - Googleで中小企業向けマーケティングを担当していた佐々木大輔が、知人の紹介でソニーのエンジニアだった横路隆と知り合い、会計サービスの試作を始めた[10][11]。
- 2012年7月 - 佐々木と横路がCFO株式会社を共同設立[1][3]。
- 2012年12月 - DCM Venturesから5000万円を調達[12]。
- 2013年3月19日 - 「全自動のクラウド会計ソフト freee」(現在の「freee会計」)の提供を開始[13][6]。
- 2013年7月 - 商号をフリー株式会社へ変更[3]。
- 2014年5月 - 「クラウド給与計算ソフト freee」を公開[14]。同年9月、テマセク系ファンドなどから6億3000万円を調達[15]。
- 2015年6月 - 会社設立に必要な書類を作成する「会社設立 freee」(現在の「freee会社設立」)を公開[14][6]。
- 2015年8月 - DCM、リクルートホールディングス、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合を引受先とする35億円の第三者割当増資で合意。法人向け事業、マイナンバー制度などへの対応、会計・給与計算以外を含むサービス基盤の拡張に充てる方針を示した[14]。
事業拡大と上場(2016年から2019年)
- 2016年以降 - 会計・給与計算を起点として、税務申告、マイナンバー管理、勤怠管理、経費精算などへ対象業務を拡張[3][6]。
- 2016年12月 - 自動仕訳技術に関する特許を侵害したとして、マネーフォワードを提訴。東京地方裁判所は2017年7月、フリーの請求を棄却した[16]。
- 2017年3月 - 給与計算に加えて勤怠管理や労務手続きを扱う「人事労務 freee」を発表し、同年初夏に提供を開始[17]。同時期には、上場準備企業向けの会計・内部統制機能を拡充し、従業員数が比較的多い中小・中堅法人にも販売対象を広げた[3]。
- 2019年7月 - フィリピン・マカティ市に開発子会社Likha-iTを設立[1]。
- 2019年12月17日 - 東京証券取引所マザーズ市場へ上場。公募増資などによる調達額は約120億円となった[9][4]。
上場後(2020年以降)
- 2020年 - 会計・人事労務以外のサービス開発を担うfreee bizを設立[18]。法人カードをはじめとする金融・決済分野にも事業範囲を広げた[7]。
- 2021年6月 - ブランド体系の刷新に伴い、「人事労務 freee」を現在の「freee人事労務」へ改称[19]。
- 2021年 - サイトビジットの電子契約事業がグループに加わった[3]。同社の「NINJA SIGN」は「freeeサイン」へ改称された[6]。
- 2022年4月 - 東京証券取引所の市場再編に伴い、マザーズ市場からグロース市場へ移行[4]。同年、会計事務所向けサービス「A-SaaS」の事業を継承[3]。販売管理サービス「freee販売」も公開した[6]。
- 2023年 - SaaSアカウント管理、請求書受領・経理支援、業務委託管理などへ対象領域を拡張[3][6]。子会社の透明書店が東京都台東区で同名の書店を開業[1]。
- 2024年から2025年 - 人事制度設計、健康管理、福利厚生、人事労務アウトソーシング、創業融資支援などの提供を開始[6][7]。2025年6月期には、上場後初の通期営業黒字を計上した[3]。
- 2026年 - 在庫管理サービスを運営するロジクラ、ITコンサルティング会社のDeepApexがグループに加わった[1][20][21]。
主な事業内容
個人事業主と中小・中堅企業のバックオフィス業務を主な対象とし、会計や人事労務を中心とするクラウドサービスを展開している[7][6]。有価証券報告書では、これらの事業を「プラットフォーム事業」の単一セグメントとして開示している[3]。
MM総研による2025年3月末の調査によると、個人事業主向けクラウド会計ソフトのシェアはfreeeが24.0%で、弥生の55.4%に次ぐ第2位だった[22]
クラウド業務ソフト
主力の「freee会計」と「freee人事労務」は、財務会計・税務申告と給与計算・勤怠管理などを扱う[5][6]。このほか、請求・販売・在庫・工数管理、支出・経費管理、電子契約、開業・登記など、企業のバックオフィス業務に関するサービスを展開している[6]。サービス間で会計データや従業員情報を共有できるようにし、外部サービスとの連携用にAPIとアプリストアも公開している[7]。
金融・決済サービス
業務ソフトに関連する分野として、法人向けクレジットカード、銀行振込・支払、資金調達手段の比較、ファクタリング、債権保証などを扱う[6][7]。カード利用や振込などから生じる継続収益は、決算資料で「トランザクションARR」として区分している[7]。
業務代行・専門支援
経理と人事労務では、クラウドソフトの提供に加えて実務の代行も受託している。同社はこの形態を「BPaaS」と位置づけ、給与計算、入退社手続き、年末調整、受取請求書の処理、債務管理などを対象としている[23][6]。
このほか、創業融資の申請、人事制度の設計、税理士などの専門家とのマッチング、企業のIT導入や業務改善を支援している[6][21]。
グループ会社
2026年8月時点で、フリー株式会社が100%出資する主な子会社は次の通りである[1]。
- freee biz株式会社 - 2020年設立。福利厚生など、会計・人事労務以外のスモールビジネス向けサービスの企画・運営を担う[18]。
- Likha-iT Inc - フィリピン・マカティ市を拠点とし、freeeグループのソフトウェア開発に携わる子会社[24]。
- 透明書店株式会社 - 東京都内で書店「透明書店」を運営する。実店舗の経営情報や運営過程を発信し、グループが自らスモールビジネスを運営する取り組みとして設立された[1]。
- freee創業融資サポート株式会社 - 創業期の事業者に対し、事業計画の作成や金融機関への融資申請を支援する[6][1]。
- 株式会社ロジクラ - EC事業者や小売・卸売事業者向けのクラウド在庫管理サービスを運営する[6][20]。
- DeepApex株式会社 - 企業の情報システム部門を対象に、IT課題の整理、システム導入、業務改善などのコンサルティングと実行支援を行う[21]。
脚注
出典
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 “会社概要”. フリー株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “About Us”. freee K.K.. 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 “有価証券報告書-第13期(2024年7月1日-2025年6月30日)” (PDF). フリー株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 4 “銘柄基本情報(4478 フリー)”. 日本取引所グループ. 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 “2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)” (PDF). フリー株式会社 (2026年8月13日). 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 “freee製品一覧”. フリー株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “2026年6月期 決算説明資料” (PDF). フリー株式会社 (2026年8月13日). 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “freee・佐々木大輔 創業者・代表取締役インタビュー”. 経済産業省. 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 “「freee」大型上場、海外投資家が殺到した理由”. 東洋経済オンライン. 2019年12月19日. 2026年8月31日閲覧.
- ↑ “博報堂もGoogleもやめて起業した理由~freee佐々木大輔氏”. PRESIDENT Online. 2017年3月20日. 2026年8月31日閲覧.
- ↑ “原体験を礎に。CTOとして数々の難局を乗り越え、スモールビジネスの未来を創る”. フリー株式会社 (2022年4月29日). 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “資金調達96億円のfreee、累積赤字60億円の“違和感””. ITmedia NEWS. 2018年11月1日. 2026年8月31日閲覧.
- ↑ “全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」リリースのお知らせ”. フリー株式会社 (2013年3月19日). 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 “クラウド会計ソフト freee が総額35億円の増資を実施”. フリー株式会社 (2015年8月24日). 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “freee、シンガポール政府の投資会社などから6.3億円を調達”. CNET Japan. 2014年9月24日. 2026年8月31日閲覧.
- ↑ “freeeがマネーフォワードに敗れた根本原因”. 東洋経済オンライン. 2017年8月14日. 2026年8月31日閲覧.
- ↑ “freeeがHR事業の軸となる新サービス「人事労務 freee」を発表”. フリー株式会社 (2017年3月22日). 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 “freee biz株式会社”. フリー株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “さらにミッションの実現へ近づくために ビジョンおよびブランドを刷新”. フリー株式会社 (2021年6月22日). 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 “株式会社ロジクラの株式取得(子会社化)に関するお知らせ” (PDF). フリー株式会社 (2026年3月18日). 2026年8月31日閲覧。
- 1 2 3 “会社概要”. DeepApex株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “個人事業主のクラウド会計利用率は38.3%へ、拡大基調続く”. MM総研 (2025年4月30日). 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “freee BPaaS”. フリー株式会社. 2026年8月31日閲覧。
- ↑ “LiKHA-iT”. Likha-iT Inc. 2026年8月31日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Freeeのページへのリンク