ERC (ソフトウェア)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/19 13:22 UTC 版)
![]() GNU Emacs 24.3で動作するERC | |
作者 |
Alexander L. Belikoff Sergey Berezin |
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開発元 | Amin Bandali、F. Jason Park ほか |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | Emacs Lisp |
サイズ | 944 KB |
種別 | IRCクライアント |
ライセンス | GPL-3.0-or-later |
公式サイト |
www |
ERCはGNU Emacsに組み込まれているIRCクライアントであり、Emacs Lispで書かれている[1][2]。
機能
ERCにはメッセージのタイムスタンプ、自動チャンネル参加、フラッドコントロール、ニックネームとコマンドの自動補完機能が含まれているs[3][4]。ERCでは、会話の追跡のためにニックネームとテキストをハイライトしたり、制御文字をハイライトしてオプションで削除したり、URL、ニックネーム、テキストをボタンに変換することができる。入力履歴や、サーバーおよびチャンネルごとに個別のバッファーが利用できる。通知には、Emacsモードラインでのチャンネルアクティビティ、ユーザーのオンラインステータス、非表示の会話のチャンネル追跡が含まれる。ERCは多言語対応で、起動時にスクリプトの自動読み込みが行われる[3]。
ERCはモジュール式のデザインであり、autoaway、fill(長い行を分割)、log(チャットバッファーを保存)、spelling、bbdb(ERCをEmacsのBBDBに接続して連絡先管理を行う)、replace(メッセージ内の特定のテキストを自動置換する)など、デフォルトで多くの機能が数十の読み込み可能なモジュールに実装されている[1]。ERCは、暗号化されたIRC通信のためにSSL/TLSをサポートしている[5]。
歴史
GNUプロジェクトによると、ERCは最初にAlexander L. BelikoffとSergey Berezinによって開発された[6] 。Berezinは、ERCは「もともとAlexander L. Belikoffによって書かれ、その後私がさまざまな点で改良し、バージョン2.0となった」と記している[7]。2人は1999年に開発を中止した[6]。Mario Langは、2001年の時点でERCが「明らかに放棄されていた」ため、彼とAlexander Schroederがそれを引き継いでERC SourceForgeプロジェクトを作成したと述べている[8]。Berezinは、新たな取り組みのニュースに前向きに反応し、新しい開発者に管理を委ねた。その後数年間で、バージョン2.1、3、4、5、5.1がリリースされた[6]。ERCの開発は2006年5月にSourceForgeからGNUに移行し[9][10] 、ERCは2007年6月3日にEmacsリリース22.1に正式に組み込まれた[11]。現在、ERCの開発はEmacsのソースコードツリー内で行われている。
関連する取り組み
ERCはEmacsディストリビューションに含まれる2つのIRCクライアントのうちの1つであり、もう1つはrcircである[1]。CirceとZenIRCもEmacsベースのIRCクライアントである[1]。作者によると、CirceはアクティビティトラッカーなどのERCのアイデアを取り入れており、ERCが「デバッグや改善が困難」になったために開発された[12]。
関連項目
- IRCクライアントの比較
- rcirc
脚注
- ^ a b c d Stutz, Michael (2007年1月15日). “Chat it up in Emacs with IRC modes”. Linux.com. 2009年10月12日閲覧。
- ^ Jonathan Corbet (2007年1月16日). “The Grumpy Editor's Guide to graphical IRC clients”. The LWN Grumpy Editor series. LWN.net. 2009年10月12日閲覧。
- ^ a b “ERC”. 10 of the Best Free Linux IRC Clients. LinuxLinks (2009年9月13日). 2009年10月12日閲覧。
- ^ Grimes, Roger A. (2001). “Flooding”. Malicious Mobile Code: Virus Protection for Windows. O'Reilly Media. p. 240. ISBN 9781565926820 . "irc flood control."
- ^ "ERC SSL". Emacswiki.org.
- ^ a b c “History”. Emacs Manual. GNU. 2025年2月10日閲覧。
- ^ Berezin, Sergey. “Projects”. 2012年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月13日閲覧。
- ^ Lang, Mario (2003年3月14日). “ERC -- The Emacs IRC Client”. Mario Lang (ERC dev) personal website. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月12日閲覧。
- ^ “ERC - an IRC client for Emacs”. GNU. 2009年10月12日閲覧。
- ^ “ERC Project”. SourceForge.net. 2025年2月10日閲覧。
- ^ Stallman, Richard (3 June 2007). "Emacs 22.1 released". info-gnu-emacs (Mailing list). 2009年10月16日閲覧。
- ^ Schäfer, Jorgen (2005年10月21日). “Circe - Yet Another Client for IRC in Emacs”. nongnu.org. 2009年10月12日閲覧。 “The best feature of Circe is the activity tracker, which many will know from ERC.”
- Ott, Alex. “Emacs: ERC” (ロシア語). xtalk.msk.su. 2009年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月16日閲覧。
外部リンク
- ERC_(ソフトウェア)のページへのリンク