D型潜水艦とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > D型潜水艦の意味・解説 

D型潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/06 07:54 UTC 版)

D型潜水艦
艦級概観
艦種 巡洋潜水艦
前型
次型 P型潜水艦
建造数 6隻
運用期間 1928年 - 1958年
性能諸元
排水量 水上:933t 水中:1,354t
全長 76.0m
全幅 6.5m
喫水 3.8m
主機 ディーゼル発動機2基(2,200hp)
電動機2基(1,050hp)
2軸推進
速力 水上14.0kt 水中9.0kt
航続距離 水上:9節7,500浬
水中:2節132浬
潜航深度 75m
乗員 53名
兵装 533mm発射管 - 艦首6門、艦尾2門
102mm砲 - 1門
45mm機関砲 - 1門
魚雷14本、機雷20個

D型潜水艦は、ソ連海軍潜水艦の艦級。正式艦級名称は第1系列潜水艦デカブリスト(Подводные лодки серии I «Декабрист»)である。

開発

D型潜水艦は、ロシア帝国海軍の後継組織となったソビエト連邦海軍が、最初に運用した潜水艦である。当時のソ連は、ロシア革命第一次世界大戦による混乱などの影響で、造船計画は遅延し、海軍力は低下していた。そのためソ連海軍首脳部は艦艇新造の必要性を感じ、1923年に新型潜水艦の開発を独断で(革命軍事評議会の承認を得ずに)決定した。本型はバルト造船廠(旧オルジョニキーゼ造船廠)のマリーニン技師を主任設計者として開発が開始された。

革命直後のソ連の工業力・技術力では潜水艦建造には不十分だったため、本型の開発にあたっては諸外国からの技術導入を多数必要とした。船体はイタリアから輸入した図面を参照し、発動機はドイツ共和国MAN社より輸入した鉄道用ディーゼルエンジンを参考とした。

特徴

船体は、当時の先端鉄鋼技術を駆使したステンレス合金を採用した、リベット接合式の複殻式構造であった。耐圧殻直径は4.76mであり、実用潜航深度は75m、限界潜航深度は90mであった。浸水発生時の被害を最小限に留めるため、船体は水密区画によって分割した。従来の潜水艦は基本的に船体は1区画のみで構成されていたが、本型では7区画に分割され、各区画は防水壁とハッチで隔離されていた。

本型は技術水準の低さに起因する不具合も多かった。バラストタンクの配置が悪く、潜航時には船体重心に偏りが生じた。注排水装置や空気圧縮装置の性能不足から、潜航・浮上に要する時間も長かった。ベアリングの不良から、機関を最大出力で20時間運転すると動力伝達軸が破損した。そのため性能は不十分であり、建造は6隻に留まった。

運用

1927年から建造が開始され、1930年までに6隻が竣工、各艦にはD-1からD-6までの番号が与えられた。第二次世界大戦時には旧式化していたが前線で活躍し、4隻が沈没した。1958年までに全艦が退役したが、一部は博物館に展示されている。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「D型潜水艦」の関連用語

D型潜水艦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



D型潜水艦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのD型潜水艦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS