球面収差補正装置(Csコレクター)
負の球面収差係数を作り出し、磁界軸対称レンズである対物レンズ、コンデンサーレンズの正の球面収差係数を打ち消す装置。 1) 極性が反対の2個の六極子とそれらを繋ぐトランスファーレンズから成り、第一の六極子で負の球面収差係数を作り出す。第一の六極子で作られる不用な3回対称のビームの歪みは第二の六極子によって取り除かれる。負の球面収差は第二の六極子によって倍加される。2) 八極子と四極子を組み合わせた素子を3対用意し、第一の素子でX方向に負の球面収差を発生させ、第二の素子でY方向に、第三の素子でそれらの中間方向に負の球面収差を発生させる。対物レンズの球面収差の補正により高いTEM像分解能、コンデンサーレンズの球面収差の補正により、より小さく高強度のプローブが得られ、より高分解能のHAADF像、一原子列からの元素分析ができる。
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