Concrete CMSとは? わかりやすく解説

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Concrete CMS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 09:00 UTC 版)

Concrete CMS v9
開発元 PortlandLabs, Inc / Concrete CMS コミュニティ
最新版
9.3.9 / 2025年1月8日 (3か月前) (2025-01-08)
リポジトリ
プログラミング
言語
PHP
対応OS クロスプラットフォーム
種別 コンテンツ管理システム
ライセンス MITライセンス
公式サイト http://concrete5-japan.org/
テンプレートを表示
Concrete CMS v8
開発元 PortlandLabs, Inc / Concrete CMS コミュニティ
最新版
8.5.7 / 2021年11月10日 (3年前) (2021-11-10)
リポジトリ
プログラミング
言語
PHP
対応OS クロスプラットフォーム
種別 コンテンツ管理システム
ライセンス MITライセンス
公式サイト http://concrete5-japan.org/
テンプレートを表示


Concrete CMSコンクリートシーエムエス)は、オープンソースコンテンツ管理システムである。以前はconcrete5(コンクリートファイブ)という名称であったが、リブランディングにともない、現在の名称となった。一般的なWebサイトや、イントラネットのサイトに利用される。いわゆるLAMPスタックで構成され、WebサーバーとPHP/MySQL(またはMariaDB)によって動作する。

概要

Concrete CMSは、最小限のスキルを持ったユーザーであれば利用できるように設計されている。編集権限の与えられているユーザーがログイン状態であれば、ウェブブラウザにページが表示されている状態から、直接編集ができるモードに移行できる。各ページは、Wikiのようにバージョン管理が可能である[出典 1]。内蔵された画像エディタを用いて、アップロードした画像の編集も可能である。2021年には、6万2,000件を超えるサイトが Concrete CMSで作られていることが確認された。[出典 2]

フィル・グロックナー[注 1]は「Concrete CMSのデモを1時間ほど使って、システムの仕組みに慣れることができた」と、ReadWriteにて述べている。[出典 3]

ITライターの小泉健太郎は、ホスティングサービス事業者カゴヤ・ジャパンのウェブメディアに寄稿した記事にて「コーポレートサイト・企業サイトの作成に適している」と記した[出典 4]

ライセンス

Concrete CMS は 自由ソフトウェア (FOSS)である。 MITライセンスのもと公開されており、ライセンスの範囲内で誰でも自由に利用することができる。

設計

Concrete CMSは、MVCアーキテクチャオブジェクト指向によって設計されている。サーバーサイドキャッシュ、開発者用API、バージョン管理システム、SEOなどの機能が、コア機能として最初から用意されている。

Symfonyをベースに、一部Laravelの機能が採用されている。[注 2]この上で、Concrete CMS独自の機能が実装されており、コアの機能はオーバーライドによって、実装者がカスタマイズできる設計となっている。これにより、カスタマイズした内容を簡単に追加したり解除することができる。[注 3]

インラインコンテンツ管理のGUI

Concrete CMSのインライン編集の場面を表したスクリーンショット

Concrete CMS は、直接編集機能(ブラウザ上で、ページを表示された見た目のまま編集可能とする、管理者向けのエディタ機能)を標準で備える。[出典 5]

編集可能なエリアは、Concrete CMSのテンプレート上にて定義されており、このエリアに対して、コンテンツをブロックとして挿入可能となる。これらのブロックは、テキストや画像といったシンプルなコンテンツから、スライドショーやコメントシステム、ファイルのリスト、地図といったより複雑で高度なコンテンツ機能などにも対応する[出典 6]。Concrete CMSのマーケットプレイスより、アドオンをインストールすることによって、さらに豊富な機能を追加することもできる。

Concrete CMSは、サーバーにインストールすると自動的にConcrete CMS配信側のサーバーと接続され、自動アップグレードや、アドオンのインストール、アドオン費用の決済などが利用できるようになる。なお、この機能は無効にすることも可能である。

歴史

2003年アメリカ合衆国オレゴン州にてWeb制作の業務に携わっていたフランツ・マルーナとアンドリュー・アンブラーによって開発された [出典 7]。二人はPortland Labs(ポートランド・ラボ)という名称にてWeb制作企業を営んでおり、この企業は現在も存続している。

広告代理店であるアド・カウンシル(英語: AdCouncilによるルイス・クラーク探検隊200周年を記念するプロモーションの一環として、そのウェブサイトをPortland Labsに依頼した。迅速に構築するために開発がスタートした(なお、このサイトは現存しない)[出典 8]

Versions 7より、Conrete CMSのソースコードは一新され、過去のバージョンとは互換性を持たなくなった。過去のバージョンは「レガシーバージョン」とされ、2019年8月24日をもって、EOLを迎えた。Version 7以降である「モダンバージョン」は、一新されたユーザーインターフェースを持つ。ユーザーが自由に定義可能なデータモデル「エクスプレス」機能を有し、拡張された権限機能や直接編集機能を提供する。

Version 9は、2021年10月にリリースされた。このメジャーバージョンアップでは、新たにマルチサイト機能、掲示板機能、新設計されたギャラリーブロックや、Bootstrap 5ベースの新UIを提供する。

開発のコンセプト

3つのルールでサイト運用のできるシステムとして開発された。

  • 簡単に - マイクロソフト Wordを使いこなせる人がサイト運用できること。
  • 柔軟に - 技術的な限界をなくし、クライアントが自由に意思決定とサイト 運営が出来るようにすること。
  • 堅固に - 秒間1万人のサイト来訪者があっても対応できること。

年表

  • 2003年 Portland Lab.によって、ルイス・クラーク探検隊200周年記念サイト用のCMSとして開発された。
  • 2004年 建物の建材としてあらゆるモノになれるコンクリート。コンクリートの出現が建設業界に大きな変化をもたらしたのと同じように、CMSに大きな変化をもたらせる事が出来ればという思いから「Concrete」と名付けられる。この時点での名称とバージョンは「Concrete v.2」
  • 2005年 コミュニティーをつくる拡張プラグインが開発される。簡単なウィザードを制作し、サイトの中で記事を直接編集出来るようになる。この時点での名称とバージョンは「Concrete v.3」
  • 2007年 ユーザーのシステムを見直し、管理画面とフロントでの記事編集機能が融合される。この時点での名称とバージョンは「Concrete v.4」
  • 2008年 インターフェースが刷新され、テンプレートの仕組みも完全に変更された。このバージョンを持ってv.5とし、「concrete5」の名称が与えられた。このバージョンからオープンソースとして公開され、世界中のユーザーが開発に参加し、ライセンス費用なしで利用することが可能となった。
  • 2009年4月 日本語公式サイトオープン
  • 2012年8月 コンクリートファイブジャパン株式会社(現:株式会社マカルーデジタル)設立
  • 2014年『concrete5公式ガイドブック』発行、コンクリートファイブジャパン社による、日本におけるパートナー制度が開始
  • 2016年 日本語公式サイトのユーザ登録数は約2300名
  • 2018年4月 『世界一わかりやすい concrete5導入とサイト制作の教科書』発行

受賞歴

動作環境

システム動作要件[注 5]

8.x システム要件

Apache Nginx などの Web サーバー (Apache24を推奨)

PHP 5.5.9 以降 (PHP 5.6.x & 7.x を推奨)

PHP モジュール:

mysql (PDO Extension), DOM, SimpleXML, CURL, GD(要freetype), FileInfo, ZipArchive, mcrypt, openssl, mbstring, iconv (Zend Locale用に必要)

5.7 システム要件

Apacheなどの Web サーバー (Apache2を推奨)

PHP 5.3.3 以降 (PHP 5.6 もしくは 7 を推奨)

PHP 7.1 (同梱ライブラリのエラーのため要パッチ)

PHP モジュール:

CURL, zip, mcrypt, openssl, GD(要freetype), mysql (PDO Extension), mbstring, iconv (Zend Locale用に必要)


ブラウザ環境

ブラウザは最新バージョンを推奨している (Internet Explorer, Firefox, Chrome, Safari)。 ※Internet Explorer 6-8は編集作業を行えないため非対応。

コミュニティ

Concrete CMSはプロジェクトに貢献する多くのユーザーを抱えるコミュニティが存在する。2023年8月には、それ以前より258名のコントリビューターが増加したことが確認された。

Concrete CMSを利用する特筆性のあるWebサイト

脚注

出典

  1. ^ "In the test: The new Open Source CMS Concrete" Archived 2009-04-21 at the Wayback Machine., crossrange.de, April 18, 2009.
  2. ^ Concrete CMS CMS Usage Statistics”. 2021年11月3日閲覧。
  3. ^ Phil Glockner (2009年4月14日). “Concrete Releases Open-Source CMS to General Availability”. ReadWrite. 2024年3月22日閲覧。
  4. ^ 小泉健太郎. “「concrete5(コンクリートファイブ) 」とは?インストール方法と使い方を徹底解説”. カゴヤのサーバー研究室. 2024年3月21日閲覧。
  5. ^ 10 Promising Content Management Systems" Archived 2011-07-24 at the Wayback Machine. by Jacob Gube, Six Revisions, November 6, 2008.
  6. ^ WYSIWYGな編集機能を持つCMS「concrete5」の公式日本語版がリリース”. マイナビニュース. 2025年3月22日閲覧。
  7. ^ https://webtan.impress.co.jp/u/2014/11/11/18658
  8. ^ FLOSS Weekly #239: Concrete CMS”. FLOSS Weekly. 2024年3月22日閲覧。
  9. ^ SourceForge Community Blog - Project of the Month, October 2008”. sourceforge.net. 2009年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月25日閲覧。
  10. ^ The 2015 Award Winner for Best #CMS for Designers is @concrete5”. CMS Critics. 2024年3月22日閲覧。
  11. ^ a b c Content Management Systems Used by Government Agencies – Digital.gov”. Digital Gov (2023年3月23日). 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月22日閲覧。
  12. ^ a b c Websites using Concrete CMS”. trends.builtwith.com. 2023年8月14日閲覧。
  13. ^ Potawatomi Hotel & Casino - Hotel and Casino Marketing and Web Design” (英語). Trivera. 2023年8月14日閲覧。

関連項目

外部リンク




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