バラッサ・サミュエルソン効果
(Balassa–Samuelson effect から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/30 10:14 UTC 版)
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バラッサ・サミュエルソン効果(英: The Balassa–Samuelson effect)は、貿易財部門の生産性が高い国は非貿易財部門の価格水準が高くなり、経済全体の物価水準が高くなる効果のこと[1]。転じて、先進国の方が発展途上国よりも物価水準が高くなる効果のこと[2]。特に2点目の効果をペン効果(英: The Penn effect)と呼ぶ。ベラ・バラッサとポール・サミュエルソンによって最初に提示された[3][4]。ロイ・ハロッドの貢献も加えてハロッド・バラッサ・サミュエルソン効果(英: The Harrod–Balassa–Samuelson effect)とも呼ばれる[5]。
概要
バラッサ・サミュエルソン効果は、貿易財部門(農業や製造業)における生産性の上昇が、非貿易財部門(サービス業)の物価水準を上昇させることを予測する[6]。貿易財部門の生産性は先進国において高い傾向にあるので、このことは先進国において発展途上国よりも物価水準が高くなることを予測する[6]。
経済の発展プロセスにおいて、非貿易財部門よりも貿易財部門の方が早く生産性の上昇を経験する傾向にある。貿易財部門の生産性が上昇すると、貿易財部門の賃金が上昇する。国全体の労働市場が統合されていれば、これは非貿易財部門の賃金も上昇させる。そして、非貿易財部門の価格水準が上昇する。国全体の物価水準は貿易財部門の価格水準と非貿易財部門の価格水準の加重平均であるから、貿易財における生産性が高い国において経済全体の物価水準が高くなる[6]。また、これによって貿易財部門の生産性が高い国の実質為替レートも増価する[6]。また、上記のメカニズムによって、貿易財部門の成長により先進国にキャッチアップする発展途上国の実質為替レートも増価する傾向にあるが、これもバラッサ・サミュエルソン効果と呼ぶ[6][2]。
理論
ペン効果
貿易財が貿易コストなしで国際取引されるのであれば、一物一価の法則が成立し、貿易財の価格が国家間で統一される。しかし、非貿易財であるサービス等は国際取引ができないので一物一価の法則が成立しない。このことから、高所得国では物価水準が高い傾向にあることをペン効果と呼ぶ。
モデル
単純なモデル
2国・2財(貿易財と非貿易財)・1生産要素(労働)モデルを考える。非貿易財部門の労働の限界生産物によって測られる生産性は国家間で等しいものとする。 この項目は、経済に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル 経済学、プロジェクト 経済)。
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