Austenとは? わかりやすく解説

Austen

名前 オーステンオースティン; オオスティン; オースタン; オースチン

オーステン

(Austen から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 02:06 UTC 版)

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オーステン短機関銃
オーステンMk.1
オーステン短機関銃
種類 短機関銃
製造国 オーストラリア
設計・製造 ダイカスター (Diecasters Ltd)
W・T・カーマイケル (W. T. Carmichael Ltd)
年代 第二次世界大戦
仕様
口径 9mm
銃身長 7.87インチ (198mm)
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
装弾数 28発(ステンガンの弾倉との互換性あり)
作動方式 シンプル・ブローバック方式
オープンボルト撃発
全長 銃床収納時:552mm
展開時:732mm
重量 3.98kg (銃のみ)
発射速度 500発/分
銃口初速 366m/s
歴史 
設計年 1942年
製造期間 1942年 - 1944年
配備期間 1942年 - 1945年
配備先 オーストラリア国防軍
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
バリエーション MK.1、MK.2
製造数 19,914挺
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オーステン (Austen) は、9x19mmパラベラム弾を使用するオーストラリア製の短機関銃である。

概要

イギリスステン短機関銃の派生型の一つであり、その名称は「オーストラリア (Australian) のステン (Sten)」を意味する。

生産はメルボルンのダイカスター株式会社 (Diecasters Ltd) とシドニーのW・T・カーマイケル株式会社 (W. T. Carmichael Ltd) によって行われ、両者を合わせた最終的な生産数は19,914挺であった。

開発

オーステンMk.1で武装する落下傘部隊員

ダンケルク撤退後、ヨーロッパにおける戦争が激化する中でイギリスは大量の軍需物資を必要とした。このため、軍需物資の多くをイギリスやアメリカからの輸入に頼っていたオーストラリアはその供給が断たれ、短機関銃を含めた各種兵器の設計・製造を行う必要に駆られた。

この際に参考にされたのがイギリス製の戦時急造短機関銃であるステン短機関銃で[1]、銃身や機関部などはステンから、前方に回転させて折り畳む方式のスケルトン型銃床などはドイツの短機関銃であるMP40からほぼそのままコピーされて設計された。

オーステンの生産に関して興味深い点として、一部の部品がダイカストにより成型されていた点が挙げられる。弾倉や銃床の一部、マガジンハウジングなどがこれに当たる。マガジンローダーもダイカスト成型である。オーステンの製造を行った2つの会社は、共にダイカストを業務上の専門としていたためである。

オーステンは同時期に開発・生産されたオーウェン・マシンカービンと併用されたが、オーステンはオーウェンに比べそれほどの人気を得ることは無かった[1]。オーステンはステンを改良したものだったが、それでもオーウェン銃に勝るほどの信頼性を達成することは無かった[1]。オーウェンが1960年代まで使用されたこととは対照的に、オーステンが1945年以降に他の紛争や戦争で使用されることは無かった[2]

1946年には発展型のオーステンMk.2が約200挺生産されたが、同年中に用途廃止となった。Mk.2では後部グリップ・機関部・エンドキャップが一体のダイカスト製となり、前部グリップ・マガジンハウジングのダイカスト部品がフロントキャップを兼ねるよう大型化し、銃剣ラグも追加された。また撃針はボルト前面に加工された固定式となった。

構成

上述のようにオーステンは銃身から機関部、トリガーグループなどはステンMk2からコピーされた一方、折畳式銃床やリターンスプリングを介して独立した撃針と伸縮式覆いを備えたボルトなどはMP40からコピーされた[1]。機関部はステンと互換性があったが、レシーバー後半はステンよりもやや長い。

折畳式銃床はパイプ形状で、右側のパイプには分解用工具、左側のパイプにはクリーニングロッドが収められていた。また、オーステンの特徴は2つのピストルグリップを備えることで、これもまたMP40から発想を得たとされ、グリップの形状もMP40のそれと酷似している。

オーステンは原型のステン同様セレクティブファイア機構を備えており、セレクタは安全・セミ・フルの3段式で、フルオート射撃時には500発/分の射撃速度を発揮した[1]

Z特殊部隊英語版向けに消音型も設計された。

出典

  1. ^ a b c d e McNab 2001, p. 86.
  2. ^ McNab 2001, p. 87.

参考文献

  • Skennerton, Ian. (1994). Small Arms Identification: 9mm Austen MkI and 9mm Owen MkI Sub-Machine Guns - Parts Identification and Lists, S.M.G.Series Notes, Exploded Parts Drawings, Descriptions, Accessories and Fittings. Published by Ian D Skennerton. ISBN 0-949749-24-9 ISBN 978-0949749246
  • McNab, Chris. (2001). Twentieth-Century Small Arms. Grange Books. ISBN 1-84013-381-3.

関連項目

外部リンク


Austen

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 15:12 UTC 版)

オースティン (曖昧さ回避)」の記事における「Austen」の解説

英語圏の姓 ジェーン・オースティン - イギリス小説家 チャールズ・オースティン - イギリス海軍軍人 トム・オースティン - イギリス出身俳優 英語圏の男性名 オースティン・チェンバレン - イギリスの政治オースティン・ヘンリー・レヤード - イギリス考古学者美術史家作家政治家、外交官 その他 オーステン - オーストラリア製の短機関銃 このページ曖昧さ回避のためのページです。一つ語句複数の意味職能有する場合水先案内のために、異な用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事選んで下さい。このページリンクしているページ見つけたら、リンクを適切な項目に張り替え下さい

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