4-メチルピリジンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 化学物質辞書 > 4-メチルピリジンの意味・解説 

4-メチルピリジン


4-メチルピリジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/16 07:30 UTC 版)

4-メチルピリジン
識別情報
CAS登録番号 108-89-4 
PubChem 7963
ChemSpider Yes 13874733 Yes 
ChEBI CHEBI:32547 
特性
化学式 C6H7N
モル質量 93.13
外観 無色液体
密度 0.957 g/mL
融点

2.4 °C, 276 K, 36 °F

沸点

145 °C, 418 K, 293 °F

への溶解度 混和する
磁化率 -59.8·10−6 cm3/mol
危険性
GHSピクトグラム
引火点 37 °C (99 °F; 310 K)
発火点 500 °C (932 °F; 773 K)
半数致死量 LD50 1.290 g kg−1 (経口、ラット)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4-メチルピリジン4-Methylpyridine)は、化学式CH3C5H4Nで表される有機化合物4-ピコリンとも呼ばれる。不快臭を持つ透明液体であり、他の複素環式化合物を合成する際のビルディングブロックとして用いられる。引火点は37 ℃と比較的低く、日本では消防法危険物(第四類 第二石油類 水溶性)に指定されている[1]

合成法と利用

4-メチルピリジンは、コールタールから単離でき、また工業的な合成もできる。アセトアルデヒドアンモニア酸化物触媒を用いて反応させることにより生成する。4-メチルピリジン自体にあまり利用価値はないが、医薬品など他の有用な化合物の前駆体として利用できる。例えば、4-メチルピリジンのアンモ酸化により4-シアノピリジンが得られ、こちらは結核治療薬のイソニアジドのような有用な化合物に変換できる[2]

ピリジンとの比較

4-メチルピリジンの共役酸である4-メチルピリジニウムイオンのpKa値は5.98である。対して、ピリジンの共役酸であるピリジニウムイオンのpKa値は5.25なので、それよりも0.7程大きい[2]。このことは、ピリジンよりも4-メチルピリジンの方がプロトンを受け取った状態が安定である(4-メチルピリジニウムイオンの方が、ピリジニウムイオンよりも酸として弱く、プロトンを手放しにくい)ことを意味する。そして、よりプロトンを受け取っても安定であるということは、よりプロトンを受け取りやすいということ、すなわち、より塩基として強力であることを意味する。つまり、ピリジンよりも4-メチルピリジンの方が、より強い塩基であると判る。

関連項目

脚注

  1. ^ a b 4-ピコリン - 純正化学株式会社 製品検索・MSDS検索
  2. ^ a b Shinkichi Shimizu, Nanao Watanabe, Toshiaki Kataoka, Takayuki Shoji, Nobuyuki Abe, Sinji Morishita, Hisao Ichimura "Pyridine and Pyridine Derivatives" in "Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry" 2007; John Wiley & Sons: New York. doi:10.1002/14356007.a22_399


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「4-メチルピリジン」の関連用語

4-メチルピリジンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



4-メチルピリジンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの4-メチルピリジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS