3つの疑問、3つの願い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/13 05:32 UTC 版)
只野真葛著『独考(ひとりかんがへ)』は、彼女が長年疑問に感じてきたこと、彼女の長年の願いをそれぞれ3つずつ挙げることから書き始めている。3つの疑問とは 「月のおほきさのたがふ事」…月の大きさが見る人によって盆ほどに大きく見えたり、猪口のように小さく見えたりするのはどうしてか 「わざをぎの女のふる舞」…現実には女は男より慎ましく振る舞うのがよいとされるのに、俳優が女形で表現する女性像はそれとは大きく異なるのはなぜか 「妾の家をさはがす事」…妾(下す女)のために家内に騒動がおこるのはどうしてか であった。このような素朴な疑問を、他者に尋ねても、それぞれ、眼の性である、芝居だから、よくあること、というふうに簡単に片づけられるのが常であった が、「そのもといかなるゆえぞ」というふうに物事の根本原理を考えながら、自分独りで粘り強く考えていくうちに、それには深いわけがあるということに思いいたり、ようやく納得することができたとしている。その深いわけは、のちの立論の根拠となっている。 3つの願いとは、 「女の本とならばや」…9歳のときから女性の手本になりたいと強く願っていた 「さとりと云ことのゆかしき」…癇性だった母方の祖母桑原やよ子が悟りを開いたと聞いて心ひかれる思いがしたこと 「人のゑきとならばや」…幼いころより人びとの益になりたいという願いをもっていたが、どうしたらよいのかずっと分からずにいた というものであった。
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