2003年の日本グランプリ (ロードレース)とは? わかりやすく解説

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2003年の日本グランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/09 23:54 UTC 版)

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  2003年の日本グランプリ
レース詳細
2003年のロードレース世界選手権 全16戦中第1戦
決勝日 2003年4月6日
開催地 鈴鹿
開催コース 常設サーキット
5.821km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
バレンティーノ・ロッシ バレンティーノ・ロッシ
2:06.838 2:04.970
表彰台
1. バレンティーノ・ロッシ
2. マックス・ビアッジ 3. ロリス・カピロッシ


250 cc
ポールポジション ファステストラップ
青山博一 青山博一
2:17.930 2:09.839
表彰台
1. マヌエル・ポジャーリ
2. 青山博一 3. 高橋裕紀
125 cc
ポールポジション ファステストラップ
アレックス・デ・アンジェリス ステファノ・ペルジーニ
2:15.417 2:14.282
表彰台
1. ステファノ・ペルジーニ
2. ミルコ・ジャンサンティ 3. スティーブ・イェンクナー


2003年の日本グランプリは、ロードレース世界選手権2003年シーズン開幕戦として、4月4日から6日まで三重県鈴鹿サーキットで開催された。この年のレースは加藤大治郎の事故死という悲劇に見舞われた。翌年以降、鈴鹿はグランプリカレンダーから外れ、日本GPはツインリンクもてぎ(この年までパシフィックGPとして開催)でおこなわれるようになった。

概要

125ccクラス

125ccクラス決勝では、ステファノ・ペルジーニスティーブ・イェンクナー、ミルコ・ジャンサンティ、ルーチョ・チェッキネロとのバトルを制して勝利を挙げた。チェッキネロはファイナルラップにシケイン不通過となったことから一旦はタイムペナルティが課されたが、黄旗区間でペルジーニにオーバーテイクされたことをアピール。最終的にはチェッキネロへのペナルティは撤回され、ペルジーニには罰金が課されることとなった[1][2]。地元勢の最上位は、6位の宇井陽一だった。

250ccクラス

250ccクラス予選では、土曜日のセッションが雨でタイム更新が不可能だったこともあり、地元ワイルドカード勢が速さを見せることとなった。6度目のGP出場となったハルクプロの青山博一ホンダ)がポールポジションを獲得、2番グリッドにはSP忠男レーシングの中須賀克行ヤマハ)が続いた。グリッド2列目からは、クラス唯一のフル参戦日本人ライダーとなった松戸直樹(ヤマハ・クルツ)が5番手、ダイドーMiuレーシングの高橋裕紀(ホンダ)が7番手からのスタートとなった[3]

日曜日の決勝はマヌエル・ポジャーリが23番手グリッドから猛烈な追い上げを見せ、250ccクラスデビューレースで優勝を成し遂げた。2位には高橋裕紀をファイナルラップのシケインでオーバーテイクした青山博一が入り、自身初の表彰台を獲得した。3位の高橋は前年のパシフィックGPに続いて2度目の表彰台となった[4]

MotoGPクラス

2年目のシーズン開幕戦となったMotoGPクラスの予選では、ディフェンディングチャンピオンのバレンティーノ・ロッシレプソル・ホンダ)がポールポジションを獲得、2番手にマックス・ビアッジキャメル・ホンダ・ポンス)が続いた。地元勢最上位は3番グリッドの宇川徹(キャメル・ホンダ・ポンス)、5番手にルーキーの玉田誠プラマック・ホンダ)、10番手に中野真矢ダンティーン・ヤマハ)、11番手に加藤大治郎テレフォニカ・モビスター・ホンダ)が続いた[5]。このシーズンヤマハ・YZR-M1の開発ライダーを務めることになった阿部典史は当初ワイルドカード枠での出場予定だったが、マルコ・メランドリの負傷代役として急きょワークスのフォルツナ・ヤマハからエントリー、14番グリッドからのスタートとなった[6]

決勝レースでは、このシーズンから参戦を始めたドゥカティを駆るロリス・カピロッシが15番グリッドからロケットスタートを決めてトップに躍り出た。しかし5周目にはロッシがトップに立つとそのままリードを広げ、独走で開幕戦を制した。2位にはビアッジ、3位のカピロッシはドゥカティのMotoGP初レースでの表彰台獲得を成し遂げた。地元勢トップは9位の中野真矢だった[7]

加藤大治郎の死

日曜朝のフリー走行での大治郎

11番グリッドから好スタートを決めた加藤大治郎は6位にまでポジションを上げ、4位争いの集団バトルに加わっていた。しかし3周目の130Rの立ち上がりで、マシンのコントロールを失う。体勢を立て直そうとしたが、マシンは「ウィーブモード」と呼ばれる激しい振動状態に陥ってしまう。操縦不能のまま左方向にコースアウトし、約150km/hでタイヤバリアに接触。約16.5度という浅い角度だったためほとんど速度は落ちず、タイヤバリアが途切れた約120cmの隙間の先にあったスポンジバリアに約140km/hで頭から突っ込んでしまう。このときに頸椎を損傷した大治郎の意識は戻らないまま、4月20日午前0時42分、収容先の三重県立総合医療センターにおいて脳幹梗塞により息を引き取った[8][9]

この事故発生を受けて、ライダー達からはコース外のセーフティーエリアの狭さを指摘され、サーキットの危険性を改善するよう要求が出された。サーキットの運営母体であるホンダは、翌年までにコース改修することが困難であるとして、9月19日に鈴鹿での開催中止を発表した。予定では2005年からの再開を目標としていたが、結局日本GPの開催地はツインリンクもてぎに固定化されることとなり、現在のところ鈴鹿でのGP開催は2003年が最後となっている[10]

MotoGPクラス決勝結果

順位 ライダー マニュファクチャラー タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 バレンティーノ・ロッシ ホンダ 44:13.182 1 25
2 マックス・ビアッジ ホンダ +6.445 2 20
3 ロリス・カピロッシ ドゥカティ +8.209 15 16
4 セテ・ジベルナウ ホンダ +13.209 6 13
5 トロイ・ベイリス ドゥカティ +23.099 13 11
6 コーリン・エドワーズ アプリリア +29.040 9 10
7 ニッキー・ヘイデン ホンダ +29.126 23 9
8 アレックス・バロス ヤマハ +30.526 8 8
9 中野真矢 ヤマハ +33.447 10 7
10 カルロス・チェカ ヤマハ +40.200 4 6
11 阿部典史 ヤマハ +44.790 14 5
12 芳賀紀行 アプリリア +1:03.358 17 4
13 ジョン・ホプキンス スズキ +1:03.950 12 3
14 ケニー・ロバーツJr. スズキ +1:04.085 7 2
15 オリビエ・ジャック ヤマハ +1:09.990 21 1
16 ギャリー・マッコイ カワサキ +1:16.572 20
17 アンドリュー・ピット カワサキ +1:17.380 24
18 柳川明 カワサキ +1:23.605 18
19 芹沢太麻樹 モリワキ +1:35.459 16
20 宇川徹 ホンダ +1:57.128 3
Ret 玉田誠 ホンダ 棄権 5
Ret 青木宣篤 プロトン 棄権 19
Ret ジェレミー・マクウィリアムス プロトン 棄権 25
Ret 加藤大治郎 ホンダ アクシデント 11

250ccクラス決勝結果

順位 ライダー マニュファクチャラー タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 マヌエル・ポジャーリ アプリリア 41:36.284 23 25
2 青山博一 ホンダ +1.373 1 20
3 高橋裕紀 ホンダ +1.496 7 16
4 セバスチャン・ポルト ホンダ +1.700 6 13
5 フランコ・バッタイーニ アプリリア +11.771 16 11
6 フォンシ・ニエト アプリリア +13.220 9 10
7 ロベルト・ロルフォ ホンダ +13.497 4 9
8 松戸直樹 ヤマハ +14.027 5 8
9 嘉陽哲久 ヤマハ +24.546 12 7
10 シルバン・ギュントーリ アプリリア +42.722 8 6
11 アレックス・デボン ホンダ +43.246 3 5
12 エルワン・ナイゴン アプリリア +47.871 21 4
13 ホアン・オリベ アプリリア +1:09.405 25 3
14 ヨハン・シュティーグフェルト アプリリア +1:09.779 13 2
15 ヤコブ・シュムルツ ホンダ +1:21.048 10 1
16 エリック・バタイユ ホンダ +1:21.788 27
17 ヤロスラフ・ユレス ヤマハ +1:35.538 15
18 チャズ・デイビス アプリリア +1:38.489 28
19 ヘンク・ファン・デ・ラグマート ホンダ +1:41.507 30
20 カーチャ・ペンスゲン ホンダ +1 Lap 26
Ret エクトル・ファウベル アプリリア 棄権 18
Ret アレックス・バルドリーニ アプリリア 棄権 11
Ret クリスチャン・ゲンメル ホンダ 棄権 24
Ret アンソニー・ウエスト アプリリア 棄権 17
Ret トニ・エリアス アプリリア 棄権 29
Ret 中須賀克行 ヤマハ 棄権 2
Ret ランディ・ド・プニエ アプリリア 棄権 20
Ret 小山知良 ヤマハ 棄権 22
Ret デューク・ヘイドルフ アプリリア 棄権 19
Ret ユーゴ・マルシャン アプリリア 棄権 14

125ccクラス決勝結果

勝者ペルジーニ
順位 ライダー マニュファクチャラー タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 ステファノ・ペルジーニ アプリリア 40:53.083 5 25
2 ミルコ・ジャンサンティ アプリリア +0.037 4 20
3 スティーブ・イェンクナー アプリリア +1.033 13 16
4 ルーチョ・チェッキネロ アプリリア +6.701 3 13
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ +8.594 8 11
6 宇井陽一 アプリリア +8.940 18 10
7 パブロ・ニエト アプリリア +9.083 11 9
8 ダニ・ペドロサ ホンダ +22.993 2 8
9 トーマス・ルティ ホンダ +33.708 17 7
10 ジーノ・ボルソイ アプリリア +34.234 20 6
11 ミカ・カリオ ホンダ +34.234 34 5
12 シモーネ・コルシ ホンダ +35.245 28 4
13 マックス・サバターニ アプリリア +35.818 6 3
14 ガボール・タルマクシ アプリリア +35.945 23 2
15 ジョエレ・ペリーノ アプリリア +35.945 22 1
16 ファブリツィオ・ライ マラグーティ +42.964 21
17 東雅雄 ホンダ +43.063 30
18 アルバロ・バウティスタ アプリリア +51.526 19
19 フリアン・シモン マラグーティ +57.880 24
20 葛原稔永 ホンダ +58.129 25
21 マルコ・シモンチェリ アプリリア +58.412 15
22 マイク・ディ・メッリオ アプリリア +1:16.078 33
23 ロベルト・ロカテリ KTM +1:17.164 27
24 イムレ・トス ホンダ +1:21.140 31
25 クリス・マーティン アプリリア +1:21.384 32
26 レオン・キャミア ホンダ +1:56.001 36
27 田中明雄 ホンダ +1 Lap 37
Ret 青山周平 ホンダ 棄権 12
Ret ピーター・レナート ホンダ 棄権 35
Ret ケーシー・ストーナー アプリリア 棄権 7
Ret ステファノ・ビアンコ ジレラ 棄権 10
Ret ホルヘ・ロレンソ デルビ 棄権 29
Ret アレックス・デ・アンジェリス アプリリア 棄権 1
Ret アルノー・ヴァンサン KTM 棄権 16
Ret エミリオ・アルサモラ デルビ 棄権 14
Ret エクトル・バルベラ アプリリア 棄権 9
Ret 須磨貞仁 ホンダ 棄権 26

脚注

参考文献


前戦
2002年のバレンシアグランプリ
ロードレース世界選手権
2003年シーズン
次戦
2003年の南アフリカグランプリ
前回開催
2002年の日本グランプリ
日本グランプリ 次回開催
2004年の日本グランプリ



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