2次医療圏での病理診断科不足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 08:36 UTC 版)
「病理科」の記事における「2次医療圏での病理診断科不足」の解説
日本医師会の報告で病理診断科の不足が示された。診療科別の最低必要な医師数(現状との比較)では、病理診断科は3.77であり、医師不足についてマスコミがしばしば取り上げる婦人科の2.91よりも病理医の不足は深刻であるという。 病理学的検査が長らく検体検査として医療関連サービスに含まれ医療機関外に外注されてきた。医療関連サービスについては、市場メカニズムによる品質向上や低価格化等が期待されている。検査センターでは受託した病理材料について標本を作製している。 検査センターで作製した病理標本については病理医が所見を記載するが、検査センターは医療機関ではないので、報告内容は病理医の意見または助言であり病理診断ではない。また検査センターは営利企業も多く、医療機関ではないので、患者診療録はなく、保険証情報もないので診療報酬評価しようにも評価ができない。 作製された病理標本が医療機関にはないので、医療機関での修練している病理専門医が見ることができない状態が続いている。2次医療圏の病理材料について作製された病理標本を、地域の病理医が若手病理医とともに、医療機関で診断する体制が必要であり、その医療機関が病理診断科ということができる。病理診断を医療機関内で行うことが、病理診断科不足が解消につながるのである。 病理医診断科不足は病理学的検査外注に連動しており、作製された病理標本の診断を病理診断科医療機関で行えるような体制がなければ、病理診断科は増えないことを日本医師会に伝えることも日本病理学会の責務と思われる。
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