高官の時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 14:52 UTC 版)
「シャムシ・アダド5世」の記事における「高官の時代」の解説
シャムシ・アダド5世からアッシュル・ニラリ5世の治世の終わりまでの約80年間(紀元前824年から紀元前745年)を「高官の時代」と呼び、地方の高官が時として王に比肩する権力を振るい、アッシリアが分権化したようにみえる時期が存在する。これについて、単にアッシリアの国力が衰えて中央集権ができなくなったと見なすことも可能だが、実際には中央から派遣された高官が地方を直接支配するようになり、統制力と軍事力はかえって向上していた時代ともみなせる。 これに先立って征服事業を行ったアッシュル・ナツィルパル2世やシャルマネセル3世は、実際にはすべての征服地を中央集権的な支配下に組み込んだのではなく、かなりの場合、服属させた現地領主に「行政官(šaknu)」という肩書を与えることでアッシリアに「併合」したと見られる。このことを考え合わせると、高官の時代に起きていたことは、王権の(一時的な)衰退ではあっても、同時に地方を中央集権化する一過程とも見なせる。
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