馬込為助とは? わかりやすく解説

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馬込為助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 14:50 UTC 版)

馬込 為助(まごめ ためすけ)は明治時代の官吏。アメリカ合衆国に留学した後、文部省兵庫県等で勤務した。

生涯

幕臣浦島亨の子として生まれ、縁戚の江戸名主馬込惟長の養子となった[1]

明治3年(1870年)閏10月大学に入学し[1]、12月3日(1871年1月23日)駐米代理公使として赴任する森有礼大学南校中助教矢田部良吉に同行し[2]、同校生徒神田乃武とともにアメリカ合衆国へ自費留学した[3]。当初華頂宮博経親王等が学ぶブルックリン工科大学(現・ニューヨーク大学タンドン工科学校英語版)に入学したが、6月の学年終了後は在籍していない[4][5]。1871年9月8日、ニューヨーク市で撮影した写真に「藤原惟親」と自署している[1]

1873年(明治6年)2月公使館附書記外山正一・名和道一が依願退職したため、代わって同職に採用された[6]。10月に森が大使を辞任した際、書面で伝えられない要件を報告するため帰国した[6]

帰国後は文部省に出仕し、1874年(明治7年)金星の太陽面通過観測のためアメリカからジョージ・ダビッドソンが来日した際には同行者に選ばれ、10月1日から翌年1月15日まで長崎に出張した[7]。1875年(明治8年)2月4日文部省を退職した[8]

1879年(明治12年)には兵庫県外務御用掛として神戸市にあり、5月東京の養父母に預けていた長男為一に馬込家の家督を継がせ、自身は廃嫡を受けた[9]。その後浦島姓に復し、大阪府御用掛[10][11]巣鴨監獄職員[12]を務めている。

家族

  • 実父:浦島亨
  • 養父:馬込惟長
  • 養母:亀(文化11年(1814年)11月14日 - 1880年(明治13年)9月18日[14]
    惟賢の末女[14]、惟徳の妹[15]。幼名は鶴[14]
  • 妻:みち[16](? - 1880年(明治13年)[17]
    見千[16]、見知、美知[18]、道子[17]とも。
  • 長男[16]:為一(1874年(明治7年)[19] - ?)
  • 長女:みを[16]

脚注

  1. ^ a b c d 髙山 2020, p. 233.
  2. ^ 髙山 2020, pp. 233–234.
  3. ^ 佐藤 1974, p. 306.
  4. ^ 塩崎 2007a, p. 124.
  5. ^ 塩崎 2007b, p. 129.
  6. ^ a b 髙山 2020, pp. 234–235.
  7. ^ 髙山 2020, pp. 236–237.
  8. ^ 太政官日誌』 明治8年第12号、4頁。NDLJP:787669/73 
  9. ^ 髙山 2020, pp. 237–238.
  10. ^ 『改正官員録』 明治14年12月、212頁。NDLJP:779349/12 
  11. ^ 『改正官員録』 明治18年8月下、10頁。NDLJP:779305/217 
  12. ^ 官報』6385号、1904年10月10日、15頁。NDLJP:2949706/23 
  13. ^ 髙山 2020, p. 274.
  14. ^ a b c 幸田 1935, p. 45.
  15. ^ 髙山 2020, p. 231.
  16. ^ a b c d 髙山 2020, p. 223.
  17. ^ a b 髙山 2020, p. 96.
  18. ^ 髙山 2020, p. 203.
  19. ^ 髙山 2020, p. 238.

参考文献

  • 幸田成友馬込勘解由」『東京商科大學研究年報. 經濟學研究』第4巻、岩波書店、1935年11月、41-85頁、doi:10.15057/7249hdl:10086/7249CRID 1390853649795483776 
  • 髙山慶子『江戸の名主 馬込勘解由』春風社、2020年。 ISBN 9784861106668全国書誌番号: 030278102 
  • 佐藤秀夫「第1編第4章第1節 維新政府の学校設立方策」『日本近代教育百年史』 3巻、国立教育研究所、1974年。NDLJP:12112190/168 
  • 塩崎智「幕末維新在ブルックリン(NY州)日本人留学生関連資料集成及び考察 (1)」『拓殖大学語学研究』第114号、拓殖大学言語文化研究所、2007年3月。 
  • 塩崎智「幕末維新在ブルックリン(NY州)日本人留学生関連資料集成及び考察 (2) ―Brooklyn Daily Eagle紙掲載記事"Our Japanese Students"(ブルックリン在住日本人留学生)の概訳と関連情報―」『拓殖大学語学研究』第116号、拓殖大学言語文化研究所、2007年12月。 

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