静的分子認識と動的分子認識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/22 07:11 UTC 版)
「分子認識」の記事における「静的分子認識と動的分子認識」の解説
分子認識は「静的分子認識 (英: static molecular recognition)」と「動的分子認識 (英: dynamic molecular recognition)」に分けられる。静的分子認識は鍵と錠前の関係に例えられる。つまり、ホスト分子とゲスト分子とが一対一対応してホスト・ゲスト構造(英語版)を形成する形である。静的分子認識を実現するには、ゲスト分子と特異的に結合するような認識サイトを設計する必要がある。 動的分子認識の場合、最初に結合するゲスト分子が後で結合するゲスト分子との結合定数を左右する。正のアロステリック効果を示す系の場合、最初のゲスト分子が結合することにより次のゲスト分子との結合定数は向上する。対して、負のアロステリック効果を示す系では最初のゲスト分子により次のゲスト分子との結合定数は低下する。このような分子認識機構の動的性質は、生化学的な系において結合の調整機構として重要である。動的分子認識により、conformational proofreading[訳語疑問点]機構のターゲットをより分けることが可能となる。さらに、複雑な化学センサや分子機械などへの応用も研究されている。
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