静的ヤーン・テラー効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 09:39 UTC 版)
「ヤーン・テラー効果」の記事における「静的ヤーン・テラー効果」の解説
多原子分子あるいは固体中の原子団で、原子核の配置(核配置)が幾何学的に高い対称性を持つ時、電子系のエネルギー準位は縮退していることが多い。しかしこの場合には、多少の例外をのぞいて、一般には原子核の幾何学的配置が変わって対称性が下がると電子状態の縮退がとけ、別れた状態の一つは対称性の高い配置での状態よりもエネルギーが低く安定である。このことをヤーン・テラーの定理という。電子のエネルギー準位の縮退がとけて、安定化された状態が実現することをヤーン・テラー効果あるいは静的ヤーン・テラー効果と呼び、動的ヤーン・テラー効果とは区別される。 ヤーンとテラーは、電子と原子核との相互作用を、対称性の高い配置からの原子核の変位について一次の項までを考慮に入れ、あらゆる可能な点対称の場合について、群論的方法を用い、しらみ潰しに調べることによってこの定理が成立すること示した。
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