電子の励起準位の差によるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:42 UTC 版)
「X線」の記事における「電子の励起準位の差によるもの」の解説
例えば、対陰極(陽極)として銅、モリブデン、タングステンなどの標的に、加速した電子ビーム(30 keV程度)を当て原子の1s軌道の電子を弾き飛ばす、すると空になった1s軌道に、より外側の軌道(2p、3p軌道など)から電子が遷移してくる。この遷移によって放出される電磁波がX線(特性X線)である。この時、軌道のポテンシャルエネルギーの差で電磁波の波長が決まるので、どのような波長のX線でも出てくるわけではない。 加速電圧(管電圧)と電子流による電流(管電流)からくる消費電力の1 %程度だけがX線に転換される。つまり電子線の電力の99 %が対陰極の金属塊を熱するということになるため、実験上冷却が重要である。このような方法でX線を発生させる装置は、 X線管(特にX線管の中で分析管と言われるものは特性X線を利用する) クルックス管 がある。
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