集合環とブール環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 01:06 UTC 版)
集合環を以下のような条件によって定義することもできる。 同値な定義 X の部分集合族 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} が集合 X 上の集合環であるとは、 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} は空でない。 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} は対称差に関して閉じている。 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} は有限交叉に関して閉じている。 の三条件を満たすことを言う。 上で基本性質として注意したことは、この特徴付けが先の定義から導かれることを意味する。逆に、 R {\displaystyle {\mathcal {R}}} がこの三条件を満たすならば、これは差に関して閉じていて (A ∖ B = A Δ (A ∩ B)) かつ合併に関しても閉じている (A ∪ B = (A Δ B) Δ (A ∩ B)) ことが示せるからこれは集合環である。 集合 X の部分集合全体の成すブール代数(冪集合代数)は、対称差を加法(単位元は空集合 ∅)とし交叉を乗法(単位元は全体集合 X)とするブール環の構造を与えることを思い出そう。この構造に対して、X 上の集合環は、加法に関して部分群で乗法に関して閉じているから、擬環構造に対する部分構造を与えている。X 上の集合代数の場合も同様に、冪集合代数の部分集合として、加法に関して部分群で、乗法に関して閉じていて単位元も含むから、こちらは単位的環としての部分構造になっている。
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