雄鶏の時の声で退散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 04:53 UTC 版)
「グラシュティン」の記事における「雄鶏の時の声で退散」の解説
近年では、グラシュティンは、黒髪の容姿端麗な若者としてイメージされているようであり、宝飾品までちらつかせて乙女を陥れる存在のようである。 前述のおとぎ話「グラシュティン」(1951年)では、嵐の晩、漁夫の娘キリ・クウェイルは、黒髪の美男子に雨宿りを許したが、それがグラシュティンだったことに、男が馬の耳を見て気づいた。グラシュティンは水棲馬ウォーター=ホースに姿を変えて女性を海に連行するといういわれがある。父の帰宅も遅れており、定命ならざる者を退散させるという夜明けの訪れが待ちどおしい。グラシュティンは真珠の首飾りを見せて誘惑しはじめるが、それを拒絶すると、今度は鋭い歯をむき出しにして娘の衣服につかみかかった。とたん、嬌声をあげると、飼っている雄鶏が鳴き出して時をつくり、夜明けかと早まったグラシュティンは姿を消し、馬蹄音といななきがあがり、バシャと水の跳ねる音が聞こえた。翌朝みると、居間には濡れた海藻がその動向の軌跡をたどって落ちていた。
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