阻害様式と酵素反応速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 06:39 UTC 版)
酵素の反応速度は、基質と構造の似た分子の存在や、後述のアロステリック効果により影響を受ける(阻害される)。阻害作用の種類によって、酵素の反応速度の応答の様式(阻害様式)が変わる。そこで、反応速度や反応速度パラメーターを解析して阻害様式を調べることで、逆にどのような阻害作用を受けているかを識別することができる。 阻害様式は大きく分けると次のように分類される: 拮抗阻害(競争阻害) 拮抗的ではない阻害非拮抗阻害 不拮抗阻害 混合型阻害 酵素の反応速度曲線を阻害剤のない原系の場合を青線、阻害剤の存在する系を赤線で示すと次のようになる: 拮抗阻害の場合は Vmax は移動せず、Km が移動する。一方、非拮抗阻害の場合は Km は移動せず Vmax が移動する。混合型阻害の場合は図に示さないが両方の寄与が見られる。 多くの場合、阻害剤が基質に類似している場合は拮抗阻害を示す。またアロステリック阻害は拮抗的ではない阻害に該当する。それぞれの阻害様式の場合の定式化は記事ミカエリス・メンテン式に詳しい。
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