長者ヶ平古墳とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 長者ヶ平古墳の意味・解説 

長者ヶ平古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/03 20:53 UTC 版)

長者ヶ平古墳
別名 向山5号墳
所属 向山古墳群
所在地 鳥取県米子市淀江町福岡(字向山)
位置 北緯35度27分11.10秒 東経133度26分24.18秒 / 北緯35.4530833度 東経133.4400500度 / 35.4530833; 133.4400500座標: 北緯35度27分11.10秒 東経133度26分24.18秒 / 北緯35.4530833度 東経133.4400500度 / 35.4530833; 133.4400500
形状 帆立貝形古墳
規模 墳丘長48.5m
埋葬施設 片袖式横穴式石室
出土品 金銅製冠・金銅製環頭大刀ほか副葬品多数・埴輪
築造時期 6世紀中葉
史跡 なし
地図
長者ヶ平
古墳
テンプレートを表示

長者ヶ平古墳(ちょうじゃがなるこふん、向山5号墳)は、鳥取県米子市淀江町福岡にある古墳。形状は帆立貝形古墳向山古墳群を構成する古墳の1つ。史跡指定はされていない。

概要

鳥取県西部、淀江平野東部の向山丘陵の南西端に築造された古墳である。1901年明治34年)に墳丘が採土され小石槨(箱式石棺)が発見されているほか、1988年昭和63年)に試掘調査が実施されている[1][2]

墳形は、前方部(方形部)が短小な帆立貝形の前方後円形で、方形部を西南西方向に向ける。墳丘外表では葺石円筒埴輪が検出されている[2]。埋葬施設は後円部(主丘部)における片袖式の横穴式石室で、南東方向に開口する[2]。石室全長が10.3メートルを測る大型の石室である[2]。石室の副葬品としては鉄刀・鉄鉾などが伝わる(現在は所在不明)[2]。また石室の北の小石槨(箱式石棺)からは金銅製冠・金銅製環頭大刀などの豪華な副葬品が検出されている[3]。築造時期は古墳時代後期の6世紀中葉頃と推定される[3]

なお、向山古墳群16基のうち14基は国の史跡に指定されているが、本古墳は史跡指定外である[3]

遺跡歴

  • 江戸時代、盗掘被害。多数の土器・直刀・鉾・馬具の出土(現在は所在不明)[1]
  • 1899年明治32年)、石室の確認[2]
  • 1901年(明治34年)、墳丘の採土。小石槨の発見および副葬品の出土(現在は東京大学保管)[2]
  • 1988年昭和63年)、試掘調査(淀江町教育委員会、1990年に報告)[1]

埋葬施設

石室俯瞰図
石室展開図

埋葬施設としては後円部(主丘部)において片袖式(文献によっては羨道が西寄りの両袖式[4])の横穴式石室が構築されており、南東方向に開口する[2]。石室の規模は次の通り[4]

  • 石室全長:10.3メートル
  • 玄室:長さ5.7メートル、幅2.6メートル、高さ2.6メートル

石室は割石・自然石の広口積み・小口積みによる[2]。石室内からは鉄刀・鉄鉾などが出土したという(現在は所在不明)[2]

石室の北では1901年(明治34年)に小型の石槨(箱式石棺)が確認されている[1][2]。石槨内からは人骨のほか[3]、金銅製透彫冠・三累環頭把頭1・金銅製三輪玉5・銅鈴6が検出されている[2]。出土品は現在では東京大学で保管されている[1]

脚注

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『向山古墳群 -向山古墳群・瓶山古墳群・石馬谷古墳の調査-』淀江町教育委員会〈淀江町埋蔵文化財発掘調査報告書第17集〉、1990年。 

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「長者ヶ平古墳」の関連用語

長者ヶ平古墳のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



長者ヶ平古墳のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの長者ヶ平古墳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS