長三和音の正当性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/07 00:52 UTC 版)
長三和音は倍音列を根拠として正当化されている。 まず、ハ長調の和音(すなわちCの和音)を考えてみる。この和音の構成音は、ハホト(C,E,G)である。ここで、この図によれば、EはCの第5倍音、GはCの第3倍音である。つまり、Cの和音は、C音上の低次倍音のみから構成されていることがわかる。そして低次倍音のみから構成されていることによって、Cの和音は非常に澄んだ快い響きが得られるのである。これは、長三和音が西洋音楽の中心的和音として確立されるにいたった、音響的な根拠とされている。 また、それぞれの音の音程に着目してみると、長三和音は 長三度(短六度) 短三度(長六度) 完全五度(完全四度) という音程から構成されていることがわかるが、これらはすべて協和音程である。音楽史的に見れば、伝統的な対位法ではこれらの音程しか許されていなかったため、必然的にこれらの音程を積み重ねた和音、すなわち、長三和音とその第1転回形が頻繁に使用されることとなり、これも長三和音が重要な和音として普及した一因であると思われる。とくに対位法において低音の完全四度が禁忌とされたことは、長三度と完全五度が最も重要な協和音程と認識されることにつながり、長三和音の普及に非常に大きな貢献をしたと考えられる。(←修正求む)
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