鉤行 (こうぎょう)[ 1] は、将棋 の駒 の一つ。本将棋にはなく、大大将棋 ・摩訶大大将棋 ・泰将棋 ・大局将棋 に存在する。
この駒は、飛車の動きを2回でき、盤面の大部分の場所に動かせるので、敵の玉将の周りに駒がいないような場合、鉤行がどこか離れた場所にいるだけでいきなり詰むこともある。よってそれが登場する将棋の駒の中では、特に強力で重要な駒となる。 そのため、大局将棋最強の駒と言われている。
大大将棋・大局将棋
毒蛇 の、大局将棋では摩𩹄 の成駒 。成ることはできない。
元の駒
動き
成駒
動き
鉤行(こうぎょう)
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鉤 行
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縦横に何マスでも動け、途中で左右どちらにでも90度曲がってさらに何マスでも動ける。
曲がらなくてもよい。飛び越えては行けない。
簡単に述べると、飛車 の動きを1回又は2回できるということである[ 2] 。
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摩訶大大将棋・泰将棋
泰将棋 では毒蛇 の成駒 。成ると金将 。
元の駒
動き
成駒
動き
鉤行(こうぎょう)
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鉤 行
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縦横に何マスでも動け、途中で左右どちらにでも90度曲がってさらに何マスでも動ける。
曲がらなくてもよい。飛び越えては行けない。
簡単に述べると、飛車 の動きを1回又は2回できるということである。
金将(きんしょう)
縦横と斜め前に1マスだけ動ける。
摩訶大大将棋・泰将棋の成りは敵駒を取ったときに強制的に成るルールになっているとはいえ、鉤行→金将の成りは各種の古将棋の中で最もデメリットの大きい成りと思われる。そのため摩訶大大将棋・泰将棋で鉤行で敵駒を取る時には特に慎重になる必要がある。
脚注
^ 『象戯図式 』『象棋六種之図式 』では「釣行」、『諸象戯図式 』では「鈎行」の表記を用いている。『象棋六種之図式』では、(「釣」の字を用いているため)読みは「てうぎやう」(ちょうぎょう)となっている。
^ 『象棋六種之図式 』の大大将棋の説明には、釣行(鉤行)の説明が2度書かれている。ひとつは飛車の動きを2度できるものだが、もうひとつ(「已下成馬」と書かれたあとの記述)は縦と斜めに何マスでも動け、後ろと斜めには他の駒を2個まで飛び越えられるとしている。
参考文献
梅林勲・岡野伸共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』(将棋天国社 、2000年)
関連項目