金属を含まないヒドリド供与体を用いるヒドリド還元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/31 14:33 UTC 版)
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あるいは金属を含まないヒドリド供与体を用いるヒドリド還元も存在する。代表的なものはメールワイン・ポンドルフ・バーレー還元である。反応はカルボニル基とアルミニウムを含む6員環遷移状態を経由してイソプロピルアルコールの水素がヒドリド転位することで還元反応が進行する。 同様な機構でLDAのイソプロピル基からヒドリド転位する例も知られている。また、グリニャール試薬によるかさ高いケトンの還元反応、カニッツァロ反応なども類似した機構で進行すると考えられている。 ジルコニウム錯体やルテニウム錯体を用いても、メールワイン・ポンドルフ・バーレー還元と形式的には同じ反応が進行する。しかし、この反応はイソプロピルアルコールからの脱水素によるヒドリド錯体の生成、ヒドリド錯体によるカルボニル化合物の水素化という2段階機構で進行していると考えられており、むしろ後述する遷移金属触媒による水素化反応と機構的には類似している。このタイプの反応は触媒的水素転移反応 (Catalytic Hydrogen Transfer Reaction) と呼ばれている。
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